<阪神0-9広島>◇21日◇京セラドーム大阪

 目を疑うような光景にも動じなかった。プロ14年目の広島長谷川昌幸投手(32)が不安定だった試合展開をギュッと引き締めた。2回、バントを試みた先発青木高広投手(27)が投球を左手に受け、左手人さし指から流血…。緊急事態にも約20球で肩を仕上げた。「普段と一緒ですよ。球数が少なくても、肩ができるようになったんです。準備はできました。目の前のマウンドに上がって目の前のことに集中するだけですから」と2回からの緊急登板にも動じることはなく3勝目をゲットした。

 この日の先発は、阪神ベンチを含めて大多数が大竹と読んでいたが、マウンドに上がったのは青木高だった。ブラウン監督は「打撃練習開始5分前に気が変わったんだよ」とジョークを飛ばしたが、相性などを考慮した起用だった。そんな奇襲も失敗しかけたが、ベテラン右腕の94球がチームを4位に押し上げた。

 [2009年8月22日9時54分

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