落合中日が天敵・岩田対策に乗り出した。7日、クライマックスシリーズ(CS)に向けて全体練習を再開し、三塁の森野将彦内野手(31)が途中で外野の守備練習を行った。阪神が3位になった場合、17日から始まる第1ステージで今季1勝4敗と苦手とする左腕岩田稔投手(25)との対戦はほぼ確実。そこで岩田と相性のいいトマス・デラロサ内野手(31)を起用するためのオプションを試した。阪神か、ヤクルトか、対戦相手はいまだ決まらないが、着々と対策は進めている。

 10日後に迫ったCS第1ステージへ向けて落合監督以下、コーチ、選手、全員が集結してナゴヤドームで練習を再開した。その中で最も目立った動きを見せたのが森野だった。三塁で守備練習を終えると、右翼でノックを受けた。昨季は外野を守ったが、今季は内野に専念している森野が異例の動きを見せた。

 「外野を守ることがもしかしたらあるかもしれないから。阪神と対戦する場合、左投手に対して、だれが相性がいいかといえば、デラロサらしいので」。笘篠外野守備走塁コーチは森野の外野守備について、こう説明した。CS第1ステージの相手は阪神とヤクルトが激しい3位争いを繰り広げているため、いまだ決まらない。ただ阪神が進出してきた場合は左の2枚、岩田、能見が先発してくる可能性が高い。その中で最も脅威となるのが岩田だ。今季の対戦成績は1勝4敗。直近の対戦である5日の甲子園でも完ぺきに抑えられ、25イニング連続無得点中と天敵の中の天敵だ。

 そこで岩田キラーとして指名されたのが現在、宮崎での2軍教育リーグに参加しているデラロサだ。岩田に対して今季は1打数無安打だが、昨季は4打数4安打、打率10割を誇った。遊撃、三塁が本職のため森野を外野にまわせば、三塁でスタメン起用できる。森野は「僕はまだ何も聞いていないのでわからない」と話すにとどまったが、練習で見せた動きはチームが「岩田対策」に動きだした証拠だった。

 落合監督はこの日、外野グラウンドからじっと練習を見つめていただけだが、CSに向けては「使うメンバーはどこ(どのチーム)が出てくるかによって変わってくる」と話している。これは阪神、ヤクルト、どちらが進出してきても柔軟な対応策を練っているという裏づけだ。デラロサの今季三塁での先発はわずか3度のみだが、変幻自在の選手起用で超短期決戦を勝ち抜く-。落合中日は自信ありだ。【鈴木忠平】

 [2009年10月8日10時37分

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