2冠王で年俸大幅アップだ!

 中日トニ・ブランコ内野手(28)が26日、年俸180万ドル(約1億6200万円)、出来高60万ドル(約5400万円)の2年契約を結んだ。今季年俸が30万ドル(約2700万円)の格安助っ人は本塁打、打点王を獲得するなど予想以上の活躍で年俸が6倍に跳ね上がり、出来高が満額なら最大で2年総額4億3200万円となる大型契約を結んだ。来季も2冠王獲得を宣言したB砲は意気揚々ときょう27日、ドミニカに帰国する。【金額は推定】

 帰国を翌日に控えたブランコは、名古屋市内の球団事務所に現われ、西脇球団代表、井手編成担当と約40分間話し合うと、笑顔で出てきた。「きょう合意してサインしました。神様のおかげで複数年契約も結べました」。今季から6倍となる大幅年俸アップに加え、希望していた複数年契約も手にして、まさに願ったり、叶ったりだった。

 「2冠王という、あれだけの成績を残したので、球団としてはそれを適正に評価しました。複数年契約については両方の思いが合致したということです」。西脇球団代表はブランコの契約内容についてこう説明した。球団はこれまでFAで獲得する選手を除き、単年契約が基本方針だった。だが、来日1年目から4番として全144試合に出場し、39本塁打、110打点で2冠王を獲得するという予想以上の活躍ぶりを評価して、ブランコの希望である2年契約を結んだ。また、年俸が今季の30万ドル(約2700万円)から6倍となったことについても正当な評価であることを強調した。

 来季は2冠王として、他球団の徹底的なマークに合うことは確実だが、ブランコは自信を見せた。「まずチームが勝利することと、個人的には今年と同じタイトルが取れるように頑張る。ハングリーな気持ちでやっていきたい」。チームのV奪回と、自信の2年連続2冠王を宣言した。

 西脇球団代表は出来高については「あるとも、ないとも言えない」と明かさなかったが、関係者の話を総合すると1年ごとに最大60万ドル(約5400万円)の出来高契約を結んだという。今年のような活躍を見せれば、2年で最大1億800万円。年俸と合わせれば4億3200万円を手にすることになる。

 「今年の成績には満足している。下半身を中心にトレーニングをしっかりやって来年、戻ってきたい」。きょう、母国ドミニカに帰国するブランコは充実の1年間を振り返った。アメリカではメジャー出場56試合にとどまっていた未完の大器が「ジャパニーズ・ドリーム」を実現した。【鈴木忠平】

 [2009年10月27日9時27分

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