ジョー厳戒態勢!

 前マリナーズ城島健司捕手(33)の阪神加入に伴って、キャンプ地の高知・安芸市が厳戒態勢を敷く。来年2月の春季キャンプに向けて、安芸市と球団が対策会議を年内に前倒しし、さらに例年の1回ではなく2回計画していることが8日、明らかになった。伝説の人気投手、小林繁を超える過去最大級のフィーバーは必至だ。最大1000台だった駐車場の増設に加えて、警備人員を増やすなど異例の限界対策を行う。

 ジョーフィーバーに備えて異例の超厳戒態勢を敷く。阪神が現在、秋季キャンプ中の安芸市役所担当者は、来年2月の春季キャンプについて「城島選手の加入でお客さんが増えるでしょう。ありがたいことですが、警備態勢は考える必要がある。今回はちょっと早めに阪神球団と話し合うことになる」と見通しを明かした。本番までまだ3カ月もある。城島対策は異例の早さで動きだす。

 2月の春季キャンプの受け入れ態勢は例年、年明けの1月に球団と対策会議を行って決める。ただ来年は超目玉が加入するだけに、年末と年明けに2度の会議を行うことを計画。担当者は「早く話し合いをやっておかないとこちらも対応できない」と説明した。

 安芸には、市民の記憶に刻み込まれた伝説的なフィーバーがある。79年2月のキャンプ地は熱狂に包まれた。球史に残る「空白の1日」に端を発する江川卓との電撃トレードで巨人の小林繁が阪神入り。悲劇の主人公となった小林見たさに破格の大観衆で埋まった。安芸市営球場(現安芸タイガース球場)に続く国道55号線は車が数珠つなぎで大渋滞。背景こそ違うが、31年の時を経て城島には小林を超えるフィーバーを想定している

 具体的な対策は既に練られている。

 (1)警備態勢の増強。例年の春季キャンプは観客の多い土日で、約40人態勢でファンの誘導や駐車場の警備を行ってきた。昨年の土日は約1万2000人の観衆が訪れたが、今回はそれを上回る人出が予想される。担当者は「最大だった40人から増やさないといけない。1・5倍(60人)ぐらいにする可能性もある」。安芸市ではFA加入した03年金本と08年新井が迎えた初キャンプの際も40人態勢で対応した。

 (2)駐車場の増設。球場周辺の駐車場は最大1000台が収容できるが、不足する可能性もある。「近くの漁協の駐車場なども利用させてもらっているが、少し遠くても新しい臨時駐車場を準備しないといけないかもしれない」。最近では金本加入時に臨時駐車場を増設したが、それを上回るフィーバーも予想される。

 2月の春季キャンプは前半は沖縄、後半は高知・安芸と2カ所で行われる。安芸市の担当者は「(直前の)沖縄の状況も参考にしないといけませんね」と話した。春の安芸キャンプでは小林を筆頭に、星野阪神、AK砲などが話題を集めてきた。ただ「城島移籍」は空前絶後の大フィーバーに発展する可能性もある。安芸市と球団にぬかりはない。

 [2009年11月9日12時3分

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