日本ハムに移籍した木田優夫投手(41)が2日、札幌市内のホテルで入団会見を行った。日米のべ8球団目の所属となり、来季42歳を迎えるが、チームメートとなる18歳年下のダルビッシュ有投手(23)へ“弟子入り”を希望。野球に対する終わりなき探求心が、大ベテランを突き動かす。

 経験豊富な大ベテランは、さらに上を目指していた。首脳陣からは「若手のお手本」としても期待されている木田だが「もちろんそれも頑張りたいけど、僕はまだまだ現役の選手。投手としてチームに貢献したい」と言い切った。頭に思い描くのはエース・ダルビッシュ。「日本で1番の投手。教えるというより、僕がお手本にしたい。試合でしか見たことがないし、普段からどんなことをしているのか知りたい」と語った。

 18歳も年下の選手を「お手本に」と言うのは勇気がいることだが、それだけ野球に対する情熱が大きいことの裏返しでもある。昨季まで日米のべ7球団に所属し、1歩1歩進化を遂げてきた。「若いうちはできたのに今できないということもあるけど、逆にできるようになったこともたくさんある。突き詰めていくと、まだまだうまくなるということ。野球はおもしろい」。リーグ連覇、日本一奪回を目指すチームの中で自分を磨き、勝利に貢献するつもりでいる。

 飽くなき探求心は、日大明誠高からドラフト1位で巨人に入団した、プロ1年目から変わっていない。「巨人のときは3本柱(桑田、斎藤、槙原)と呼ばれる人たちがいたし、アメリカにいるときは野茂を見ていた」。常に目標とする投手を間近で観察し、わからないことがあれば助言を求めてきた。チーム最年長となる日本ハムでも、その姿勢に変化はない。

 会見の壇上では、ヤクルト在籍時と同じ、背番号「42」の真新しいユニホームに袖を通した。「つけたいと言っていた番号をいただけてうれしいです。来年42歳になりますが、体はまだまだ動くので、キャンプからしっかりアピールしたい。2月1日にはブルペンに入ります。昔からやっていることなので」。キャプテンの稲葉同様、背中でチームを引っ張っていく。【本間翼】

 [2009年12月3日10時18分

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