ソフトバンク新垣渚投手(29)が「半歩前進」で豪腕復活を目指す。17日、福岡市の西戸崎合宿所で練習後、来季へ向けフォーム改造に取り組む考えを明かした。着目したのは投球時に踏み出す左足の歩幅。従来の6足半から7足へと広げた「大股(また)投法」で球威アップを図る。

 新垣

 少しでも打者の近くで投げられた方がいい。(右肩関節炎でリハビリ中の)肩に負担をかけないためにも、下半身の力もしっかり使って投げたい。

 距離にして15センチ足らずでも、大きな“前進”だ。歩幅が広がれば重心が下がり、下半身の粘りが増す。リリースポイントも前に出るため、打者にとっては見極める時間が短くなり、実際の球速以上の球威が生まれる。未勝利に終わった今季は秋山監督からも「(球速は)148とか150キロが出ているけど(ベンチで)見ていてそれを感じさせない」と球威の低下を指摘されただけに、かつての剛球を取り戻す狙いがある。

 オフのスケジュールもようやく固まった。この日、来年1月の自主トレについて「こっち(福岡)でやることに決めた」と明かした。地元沖縄で行う計画もあったが、福岡に残って球団トレーナーと相談しながらの調整を決断した。

 150キロ超の速球を武器に04年から3年連続で2ケタ勝利を挙げた右腕も、近年は苦悩のシーズンが続く。来季は「原点に戻る意味でも」と、直球とスライダー中心の投球に徹する決意を固めている。完全復活を目指す勝負の1年へ、新垣が大きな「半歩」を踏み出す。

 [2009年12月18日11時52分

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