原構想、受けて立つ!
阪神真弓明信監督(56)は26日、ライバル巨人で浮上している中継ぎ山口の先発転向プランを歓迎した。金本、鳥谷ら左打者が主軸に並ぶチームはゲーム終盤に山口に流れを断ちきられるケースが多かった。今季は5カード連続勝ち越しで盛り返し、11勝11敗2分けのタイに持ち込んだ伝統の一戦。ブルペンから山口が消えることをプラスにとらえた。
「難敵」がいなくなることを歓迎した。巨人原監督が連覇を4、5と伸ばしていく秘策としてオフにぶちまけた「先発山口」プラン。ライバル心を隠すことがない阪神真弓監督は思わずニヤリとした。やっかいな先発が増えるより、「抑え山口」が姿を消すことの方が朗報だった。
真弓監督
山口が先発になるとして、後ろにいないというのは大きいね。うちの左打者もだいぶ慣れてきて、対応するようにはなってはきたけど、いるといないとではだいぶ違う。
今季もまた、阪神が藤川に、巨人がクルーンにいかにつなぐかの勝負だった。ウィリアムスに本来の力が出なかった阪神に比べ、左の山口と右の越智が万全な巨人は安定感があった。その一角、左打者を封じる山口が先発に回るのは、ゲームを進める上でメリットしか感じられなかった。
敵のチーム事情も分かっている。ゴンザレス、グライシンガーにオビスポも加わり、先発ローテーションは外国人が主流を占める。高橋尚がFA移籍したこともあり、手薄なスターターを巨人の数少ない弱点に挙げた。
真弓監督
どこが弱いかと言えば、先発投手になるのだろうね。もともと、外国人が多いし、高橋尚がいなくなった。それで山口ということになるのだろう。
足りないから補う。そこにバランスの悪さをかぎ取った。阪神では退団したウィリアムス、アッチソンの代わりに左右の新外国人投手を当て込んでいる。その上で、ブルペン強化を怠るつもりはない。
真弓監督
みんなが先発を目指して、ローテーションに入らない投手はでてくる。後ろが向いている投手がいれば、後ろで投げてもらうかも知れない。チームの中で考える。
具体名こそ挙げなかったが、先発挑戦が空振りした久保田はその有力候補だ。今季は中堅の金村暁や左の筒井を中継ぎ起用してよみがえらせた実績もある。山口が転向する巨人の「引き算」より、新たに中継ぎタイプの投手を探す「足し算」の投手編成に活路を見いだす。少なくとも原プランは、余裕の笑みで受け流した。
[2009年12月27日12時8分
紙面から]ソーシャルブックマーク