ソフトバンク多村仁志外野手(32)が今季、日本球界最重量バットを手にする。昨年は930グラム前後のバットを使用。だが、プロ16年目の今季は、960グラムのバットを使用するという。現在横浜村田が960グラムのバットを駆使しており、阪神新井も意欲を示すなど、日本プロ野球で最重量クラス。「それだけ体が大丈夫、戻ってきたということです」。ここまで3カ月自主トレを続け、順調調整の裏返しでもある。

 以前にも、手にしていた。ソフトバンク移籍の07年。同年は、シーズン自己最多の132試合に出場している。昨年は腰痛、肉離れと体の各所に痛みを抱えたスラッガーの完全復活の証しがバットの重量に表れている。

 重さだけなく、形状にもアレンジも加えた。長さは34・5インチから34インチに短縮。だが、芯の位置を先端に移動させ、遠心力をフルに生かす形となっている。グリップも細く削り、ヘッドに重みを感じるタイプとなっている。これまでは詰まっても対処できるように、芯の位置が手元に近かったが、今季は持ち味の長打力を重視する。

 1月31日、宮崎入り。いよいよキャンプインを翌日に控えた。日本最重量の武器を手に、多村が勝負のシーズンを迎える。

 [2010年2月1日12時7分

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