日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が、コンディショニング最優先の「ゆとりプラン」で今季のスタートを切ることになった。2日、札幌ドームで全体練習を再開。20日の本拠地開幕のソフトバンク戦に登板後は変則日程だが、中6日以上の登板間隔を基本に登板していく見通しになった。昨季終盤の故障に配慮しながら、エースをフル活用していく。

 ダルビッシュが中6日以上の「制限付き」で、6年目へと踏み出すことになった。今季はソフトバンクとの開幕3連戦後に3日間あき、26日からロッテ3連戦という変則日程。2カード連続でエースを駆使でき、定石ならカード初戦にその3連戦の一番の軸になる投手を投入するが、梨田監督はコンディション優先の方針を固めていた。「(初戦起用で中)5日でというのはないと思う」とロッテ3連戦の2戦目に、中6日をきっちり守って起用する意向を明かした。

 大黒柱をもう折らない、決意の表れだった。昨季終盤に左臀部(でんぶ)痛で離脱。約1カ月半、戦列を離れた。自身初の2ケタ白星を挙げた2年目の06年以降はほぼ1年間、フル稼働してきたが、まさかの急停止。昨年3月のWBCを含め、その前から蓄積してきた疲労が、要因の1つだった。昨季も23試合に先発し8完投、5回降板した1試合をのぞき、すべて7回以上を投げきる鉄腕ぶりを見せていたが、最後に残った代償は大きかった。

 梨田監督はキャンプイン前に開幕投手の大役を決めず、重圧を与えないように配慮。細心の注意を払いながら、ダルビッシュの調整を見守ってきた。島崎投手コーチも「1年間、投げられなかったら意味がない」と狙いを話した。

 ダルビッシュはこの日、ブルペン入りせずに調整。次回登板6日ヤクルト戦(札幌ドーム)へ向け、再始動した。自身の起用法については「まだ何も聞いていないんで」と淡々と話したが、周囲は進むべき道を決めた。フルスロットルで1年間を駆け抜けるため、レールは敷かれた。【高山通史】

 [2010年3月3日9時18分

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