<横浜9-3阪神>◇18日◇横浜

 いけるで、史上最強の核弾頭!

 阪神の新助っ人マット・マートン外野手(28=ロッキーズ)が18日、オープン戦・横浜戦(横浜)で先頭打者弾を放った。バックスクリーン直撃の特大弾で、開幕カードから対決するベイ首脳陣の度肝を抜いた。オープン戦出場12試合で早くも2本目の先頭打者アーチ。真弓、今岡と続く最強1番打者の系譜を、ほんまに継ぐかもしれまへんで~!

 優しい顔をして、やることは恐ろしい。晴天に恵まれた横浜スタジアム。試合開始直後、マートンが青空へ花火を打ち上げた。

 マートン

 プレート上にスーッと来たボールを逃す訳にはいかない。良い形で打てたよ。シンプルに考えて打席に立っている。ホームランを打とうと思っている訳じゃないんだけどね。

 開幕カードの相手、ベイ首脳陣も真っ青の一撃だった。初回無死。横浜先発ランドルフに対し、フルカウントから牙をむく。真ん中内寄りの甘い140キロ直球をコンパクトに強振。打球は大きな放物線を描き、ゆっくりとバックスクリーンを直撃した。あっさりと先頭打者弾。赤毛の助っ人は本当に“恐怖の1番打者”になれるかもしれない。

 オープン戦出場12試合で早くも2本目の先頭打者弾。単純計算すれば、シーズン144試合で先頭打者本塁打24発のペースだ。阪神の初回先頭打者本塁打は、打率3割4分で首位打者に輝いた03年今岡の7本が最多。通算では真弓監督が現役時代にセリーグ記録の38本。虎が誇る歴代の最強1番打者に負けず劣らずの成績を予感させる活躍だ。

 準備には余念がない、慎重な男だ。1月30日、キャンプインを2日後に控えて沖縄入り。その際、他選手がスーツケース1個を持ち込む中、1人だけ大きなスーツケースを2個引きずってきた。中身は野球道具、ジャージーだけではない。「宿舎から球場まで、もしかしたらユニホームじゃない姿で移動するかもしれないと思って」。大量の私服にドレスシャツまで詰め込んだ。“万が一”に対する備えも怠らない主義だ。

 そんな性格だから、シーズンインに向けて着々と準備を進める。何度もフォームをチェックして微修正し、対戦相手のデータも頭に詰め込んでいる最中。グングン調子を上げている。この日は3打席目に中前打も放ち、マルチ安打を記録。これで出場したオープン戦で6試合連続安打。打率3割5分は虎の規定打席到達者の中でトップとなった。

 マートン

 良い感じだね。でも、今より開幕の方が良くなるようにしたい。

 3・26開幕戦まで、いよいよ1週間。期待は日増しに膨らんでいる。【佐井陽介】

 [2010年3月19日11時42分

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