<ソフトバンク1-4オリックス>◇28日◇福岡ヤフードーム

 オリックス木佐貫洋投手(29)がソフトバンク打線を7回2/3、3安打1失点に抑え、移籍初勝利を挙げた。失点は松中に許した1発だけ。昨年巨人でわずか1試合登板に終わり、昨秋にトレードで加入。新天地で開幕ローテをつかみ、609日ぶりの復活勝利を飾った。チームは10年ぶりの開幕2カード連続勝ち越しを決めた。

 空白の時間を自らの右腕で埋めていった。8回途中1失点。完投まで残り4アウトでお役御免となった木佐貫はベンチで大きな目をこらして、その瞬間を迎えた。巨人時代の08年7月27日ヤクルト戦以来、609日ぶりの勝利。新しい仲間と笑顔のハイタッチに涙はない。新天地でブランクに終止符を打った。

 「長い間、勝ちがつかなくて、勝てないのかなという思いはあった。ホッとしてます」

 直球と落差の大きなフォーク。絶妙ブレンドで打者の的を外し続けた。巨人で公私とも世話になった4番小久保とのリーグ戦初対決を楽しみにしていた。2回は左ひじに死球をぶつけ、4回2死三塁では左飛、7回も捕邪飛に打ち取った。かつてメンタルの弱さを指摘してくれた兄貴分に成長の跡を見せた。

 「前が900何日ぶりで…。思い詰めてやるところがあるので、伸び伸びやっているところを見せたかった」。巨人でも07年に973日ぶりの白星を経験。栄光と挫折を繰り返す右腕はまたも復活した。

 昨秋にトレード加入し、神戸市内の選手寮でいまだ残る「鈴木一朗」の隣部屋で単身生活。この日は電話でしか声を聞けない明子夫人(29)と長女晴花ちゃん(2)が応援に来てくれた。「公園の滑り台の階段をガンガン上っていく、物おじしない子です」。新居探しに苦戦中だが、愛娘の成長ぶりを直接見守る日も近い。「元気にやってるのが伝わりましたかね」。家族にも捧げる勝利にクールなマスクを崩して笑った。

 岡田監督も新戦力の力投にご満悦だった。「一番大きいのは木佐貫の踏ん張りや。同点に追いつかれてからまたエンジンかかったんちゃうか」。金子で第2戦を落としたが、今カード2勝1敗。10年ぶりに開幕2カード連続勝ち越しを収めた。「そりゃあ理想的やけど、そんなん、うまいこといけへんで」。そういいつつ、口元は緩んだ。岡田オリックスの首位快走はまだ続きそうだ。

 [2010年3月29日11時35分

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