<巨人7-2ヤクルト>◇3日◇東京ドーム
主砲、脇役、控え、移籍組が一体となって、3連敗中の原巨人が一夜で首位を奪回した。2回に1点を先制した直後、「脇役」の脇谷亮太内野手(28)がプロ初の満塁弾を放った。6回には「控え」の李承■内野手(33)が代打で右前適時打、7回には「主砲」アレックス・ラミレス外野手(35)の10年連続2ケタ本塁打となる10号ソロで、勝負を決めた。「移籍組」の藤井秀悟投手(32)が6回1安打1失点で2勝目をマークし、現12球団からの勝利を達成した。
脇谷はダイヤモンドを周りながら心の中で叫んだ。「まじかよ!」。2回、押し出し四球で1点を先制し、なお2死満塁。ヤクルト由規の151キロを左翼席へ放り込んだ。「小学校でも中学校でも、ないですね」という野球人生初のグランドスラム。見逃せばボールの高めだったが、上からしっかりたたき、序盤で早々と試合の流れを決めた。
前夜の反省を生かした。今季初の3連敗で、首位から陥落した阪神戦。1点を追う9回1死一、三塁の好機で、藤川球に空振り三振を喫した。高めにぐんと浮き上がるような「火の玉ストレート」の勢いにつられた。犠飛でも同点だったが、頭の位置より上のボールに手を出し、バットはかすりもしなかった。「映像を見たら、ものすごい(ボール)球を振っていた」と悔しさをかみ殺したが、原監督から金言をもらった。「ヘソを中心に体の軸で打ちなさい」。どうすれば、ボールに力を伝えられるか。打撃の基本を思い出した。同じボール球でも、やみくもに振った前夜とは違った。教えを忠実に守ったから、プロ通算6本目の1発は本人も驚く逆方向だった。
満塁弾で流れをつかみ快勝。阪神が敗れたため、一夜にして首位を奪回した。だが首位打者の松本を故障で欠くこの9連戦は3勝4敗と、まだ黒星先行だ。代わりに2番に入る脇谷に、原監督は「しっかり務めている」としながらも注文をつけた。「脇谷に求めるものは、もう少し高いところにある。0点か100点かという意外性は魅力。でも、レギュラーをはるなら、50点、60点であってもチームにプラスを与え続けていかないと」。2日の三振は0点だった。この日の満塁弾は100点でも、レギュラーなら常に平均以上のプレーをしないといけない。
故障者続出の現状を、原監督は「ピンチはチャンス」とも言う。脇谷は「前の人(松本)が大きな数字を残したから、2番は重い。でも、結果を出さないと自分より若い人が上がってきます。入れ替えが激しいから。ご飯が食べられなくなっちゃう」と危機感を隠さない。その姿勢があるから、2日の失敗を糧に出来た。松本の離脱は痛手でも、これを機に脇谷が成長すればチームにとって大きな財産となる。【古川真弥】※■は火へんに華
[2010年5月4日8時26分
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