<阪神10-6広島>◇7日◇甲子園
阪神城島健司捕手(33)が「セ界制覇」を満塁アーチで決めた。広島から移籍後初の1発は、初回の7号グランドスラム。今季2発目のド派手弾を含む5打点と暴れた。これで城島はタテジマでセのライバル5球団から本塁打をマーク。フォッサム、久保田の誤算で5点差をひっくり返されたが、終わってみれば“空砲”にならない強運ぶり。やっぱり絵になる男だ。
打ち抜いた感触を楽しむように、跳びはねた。城島は、左翼に伸びる打球を見てサイドステップで打席を出た。雨上がりの空に白球が舞う。初回1死満塁、青木高のチェンジアップを体がねじ切れるほどのパワーで打った。7号満塁弾。両手の人さし指を天に突き上げて、ホームに生還した。
「芯でしたよ。手応えは十分。風も逆風じゃなかったし、入ると思った」
今季2本目のグラウンドスラムは、セ・リーグ5球団すべてから1発を放つ「総なめ弾」だ。3回には1死三塁から二ゴロを打って、移籍後最多の1試合5打点をマークした。さらに栗原の2ランで逆転された8回先頭では中前打。低めの変化球にバットを合わせて「追い込まれてからは(打撃を)変えないと。何でもかんでもいってしまうと三振してまうので」。技ありの安打で再逆転の口火を切ったが「矢野さんとマートンがよく打った。僕はこそっと塁に出ただけ」とおどけた。
状況に応じて対応できる高い打撃技術。十分に発揮するためにバットの木目にまでこだわる。試合用黒バットはマリナーズ時代から同じで長さは34・5インチ、重さ920グラムだ。最初の7本を4月中に使い切ってミズノ社に追加注文を出した。その際に木目の幅についても要望を出したという。
城島のバットの原料であるホワイトアッシュは大木になると直径1メートル近くに及ぶ。バットの制作は木を縦にくりぬく。その際に年輪の幅が広くなる外縁部分のほうが反発力が大きくなる。城島は「より木目の幅の大きいものを」と注文したという。黒く塗られて見えない木目の幅に気をつかうのはプロ魂のあらわれだ。
「本当だったら、5点を守りきらなきゃいけなかった。フォッサムをうまく引っ張れなくて、捕手としては非常に重い空気だった。向こうの4番(栗原)に逆転されて、ウチが逆転したということに価値がある。明日はデーゲームだけど、やっぱり勝てば疲れも違うでしょ」。激闘の末に広島に先勝。充実感を漂わせていた。
[2010年5月8日10時52分
紙面から]ソーシャルブックマーク




