<巨人10-8ロッテ>◇16日◇東京ドーム

 空中戦では負けない。巨人が今季2度目の1試合5本塁打で、ロッテと計9発が飛び交った乱打戦を制した。1回に阿部慎之助捕手(31)、3回に小笠原道大内野手(36)、5回にはアレックス・ラミレス外野手(35)と高橋由伸外野手(35)の本塁打で終始主導権を握り、6回には坂本勇人内野手(21)の自身初の3試合連発となる10号ソロで1発攻勢を締めくくった。初制覇を狙う6年目の交流戦は、黒星スタートの翌日から3試合計12発で3連勝。12球団トップのチーム打率を誇るロッテに打ち勝った重量打線の勢いは止まりそうにない。

 ホームラン劇場の締めくくりは、坂本にしか描けないアーチだった。6回の先頭で打席に入り、カウント2-1と追い込まれた。コースも球種も絞れない状況で、瞬時に体が反応した。内角低めの直球を、うまく腕をたたみ、体をクルリと回転させながらさばいてみせた。滞空時間の長い打球は、黒一色に染まったロッテファンの陣取る左翼席へ吸い込まれた。

 自身初めての3戦連発。09年は73試合かかった10号に、今季はわずか40試合で到達した。15日も同じような内角低めの難しい球をスタンドに運んでいる坂本は「低かった分、ボールとの距離が取れた。今はボールを呼び込み、ボールを長く見ることができています」と分析した。通算382本塁打の原監督は「軸というか、コマのようにクルッと回る。何か1つの階段を上った感じがしますね」と、内角球をさばく天性の技術に舌を巻いた。

 チーム打率が2割9分を超えるロッテ打線が相手でも、ノーガードの打ち合いになれば負けない。小笠原、ラミレス、阿部のクリーンアップトリオがそろい踏み。腰痛からの完全復活を目指す高橋も5回に豪快な1発を放った。球界を代表するスラッガーに、坂本が“仲間入り”して重量打線はさらに迫力を増した。両軍合わせて9本塁打が飛び交う空中戦は巨人に軍配が上がった。

 パの首位を争う西武、ロッテとの4連戦を3勝1敗で交流戦初Vへ上々のスタートを切った。それでも、原監督に浮かれた様子はなかった。「どの試合も紙一重。気を引き締めて戦おうと新たに思うばかりです」。4安打の固め打ちで勝利に貢献した坂本も、表情を引き締めた。「状態が良くなければ4本も打てないと思います。でも、交流戦はまだ始まったばかり。ホームランも出なくなると全然打てなくなりますから」。油断もすきもないところが、相手チームにとっては何より厄介だろう。【広瀬雷太】

 [2010年5月17日9時26分

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