<ヤクルト5-6ソフトバンク>◇16日◇神宮
ソフトバンク杉内俊哉投手(29)が悪夢の1発に泣いた。5-2と3点リードの8回にガイエルの同点3ランを浴びた。直前の攻撃では小久保の勝ち越し3ランに大喜びしたばかり。降板後のベンチでは悔しさで目をうるませる場面もあったが、チームの粘り勝ちに救われた。
打球の飛び込んだ右翼席を見つめ、しゃがみ込んで動けない。口は半開きのままだ。8回無死一、二塁から痛恨の同点3ラン。今季ワーストタイの5失点で降板してベンチに腰を下ろすと、みるみる顔が赤らんだ。自分が許せない。悔しさがあふれ出たのか、下のまぶたにはうっすらと光るものも見えた。
天国から地獄へたたき落とされた。直前の攻撃では小久保の勝ち越し3ランが飛び出し、飛び跳ねながら左手でグラブを何度もたたいて喜んだばかりだった。だが、8回に先頭デントナと飯原に連打を許すと、ガイエルへの直球が外角高めへ浮いた。乾いた音が響きわたる。やめてくれ-。願いもむなしく、白球が描いた放物線はスタンド前列へ飛び込んだ。見逃せばボール球でも、パワーで運び去られた。
立ち上がりは快調だった。序盤3回をわずか37球で2安打無失点、5奪三振。7回までの失点は4回の元同僚・吉本の犠飛と、6回に失策絡みで奪われた1点の計2点だった。ベンチも全幅の信頼を置いていた。7回までで112球。秋山監督は「球数的にまだいけると思った」。高山投手コーチも「球に余力があった。ウチのエースだし、変える理由はなかった」と続投以外の選択肢は考えていなかった。杉内自身も迷いなく8回のマウンドへ向かった。
たった1球の失投が、目前だった8勝目を消してしまった。だが、それでも負けはしなかった。試合後、少しだけほおを緩めてハイタッチの列に加わった。「チームが勝てたことだけがよかった。悔しかったけどね」と、うつむきがちに球場を去った。07年から13連勝中の5月にも、こんな日はある。今度は背番号47が、チームを救う番だ。
[2010年5月17日11時28分
紙面から]ソーシャルブックマーク




