<広島2-6日本ハム>◇16日◇マツダスタジアム

 日本ハム金子誠内野手(34)が攻守でフル回転した。1点を追う2回に、左脇腹痛から復帰後初めてとなる逆転の2号2ランを放ち、続く3回には左前へ2点適時打。3打数2安打で、6得点中4打点をたたき出した。守備でも3度の併殺すべてに絡み、完全復活をアピールした。チームは交流戦に入り3勝1敗と好調。18日からは本拠地札幌ドームで巨人を迎え撃つ。

 “かねこのおじいちゃん!?”がハッスルした。左脇腹痛で4月を丸々1カ月欠場した金子誠が、復帰初アーチを含む2安打4打点と大暴れ。「戻ってきてからずっと寒いナイターが続いていて、怖い部分があったので(体が)“おじいちゃん”になっちゃった感じ。でも今日は今年初めて半袖でできたし、(怖がらずに)振っていくことができた…っていうと本当に“おじいちゃん”みたいだけど」。手に持った盆栽…ではなく、白木のバットでチームに勝利を呼び込んだ。

 プロ17年目で初めて患った左脇腹痛。復帰後も、常に再発への恐怖が付きまとった。「打撃練習もキャッチボールも最初の1、2球目は怖い」。しかし、この日は最高気温24・9度。試合前練習からたっぷりと汗をかき、体は温まった。1点を追う2回2死二塁の第1打席、カウント0-2から、最初の一振りで打球をバックスクリーン左まで運んだ。「ちょっと上がりすぎたかとも思ったけど、相手の力も利用してね」としてやったりの一撃だった。

 3回2死満塁の好機にも左前打を放ち4打点。さらに守備でも、ピンチで奪った3度の併殺にいずれも絡んだ。「函館、甲子園、ここ(マツダスタジアム)と、ずっとプレッシャーのかかるグラウンドだったけど、みんながしっかりやっているから」。5月3日の復帰から、チームは6勝3敗。存在感の大きさが数字となって表れている。

 リハビリ中は2軍本拠地の鎌ケ谷を拠点としたため、シーズン中では珍しく都内の自宅で長期生活を送った。「パパをしちゃった」。清か夫人や2人の子どもと接する機会は多かった。当然ジレンマもあった。「子どもたちは学校があるしね。あとご近所さんからも心配された」。自分だけが取り残されたような“日常”の中で、日に日に復帰への思いを強くしていた。

 15日にダルビッシュで敗れたチームだが、連敗はせず、再び白星をつかんだ。梨田監督も「金子がいいところで打ってくれた。流れ的にはいいね」。大車輪の活躍を見せた34歳。おじいちゃんという言葉は、あまりにも不釣り合いだった。【本間翼】

 [2010年5月17日12時12分

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