<オリックス2-8広島>◇19日◇京セラドーム大阪

 広島期待の助っ人がようやく本領発揮だ。エリック・スタルツ投手(30=ドジャース)が、オリックス打線を6回2失点に抑えて来日初勝利を挙げた。ここまで投げるたびに大量失点でKOされることの繰り返しだったが、5試合目の先発でやっと結果を出した。前田健以外の先発投手陣が総崩れ状態の中、メジャー8勝の左腕が実力を示した。

 スタルツは満足そうだった。「今日はチームメートのおかげで勝つことができたよ」とヒーローインタビューで笑顔を見せた。6回5安打2失点。低めへの制球がさえ、オリックス打線から8つの三振を奪った。4回に4本の長短打を集中されて2点は失ったが、先発投手として試合をつくった。待ち望んでいた来日初勝利を、ようやく手に入れた。

 メジャー通算8勝を挙げた左腕も、日本での初勝利まで1カ月を要した。投げるたびに打ち込まれ、ここまでの4試合で20イニングで19失点。防御率は7・40とさんざんだった。ドジャース時代には、故障者リスト入りした黒田に代わり先発ローテを守った男が苦しんだ。大野ヘッド兼投手コーチは悩める助っ人をこう諭した。「チェンジアップに自信を持っているようだが、置きに行くようなボールでは日本の打者は振ってくれない。まっすぐも138キロくらいから148キロまで速度差が激しい。それより142、3キロでいいから(制球が)安定した球を投げてほしい」。

 スタルツはそうしたやりとりの中で、日本で成功するために必要なことを学んだ。肩の開きを修正し、前回登板では6回で5つだった四球を、この日はゼロにまとめた。まっすぐのスピードは142、3キロで、チェンジアップを低めに集め空振りを誘った。「攻撃的に投げられた。ストライク先行で打者にプレッシャーもかけられた」と自画自賛した。

 大野ヘッドは「右打者の内角を攻められていたし、ブルペンで取り組んでいたことがマウンドでも出せた。これならメドが立つ」と評価した。前田健以外の先発投手陣が総崩れの中、ようやく実力派助っ人が本領を発揮。ローテの柱に名乗りをあげた。偶然にも、この日黒田がメジャーで5勝目を挙げていた。「黒田は良い投手だから勝つのは当然。同じ日になったのはたまたまさ」と笑った。【高垣

 誠】

 ◆エリック・スタルツ

 1979年12月9日、米インディアナ州プリマス生まれ。ベセル大から02年ドラフト15巡目(全体451番目)でドジャースから指名。06年9月5日のブルワーズ戦でメジャーデビュー。通算35試合で8勝10敗、防御率4・84。183センチ、102キロ。左投げ左打ち。

 [2010年5月20日11時44分

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