ソフトバンク3年目の岩崎翔投手(20)が、チームの危機を救う。横浜戦が2日連続で流れ、ローテーションが組み直される中、25日の横浜戦(横浜)先発に抜てきされた。今季初先発した5月3日のオリックス戦(スカイマーク)では5回3失点と好投。プロ5度目のマウンドで初勝利を挙げ、21日に右足内転筋痛で出場選手登録を抹消されたデニス・ホールトン投手(30)の穴を埋める。

 弱冠20歳の岩崎が、故障離脱中のホールトンの代役に抜てきされた。25日の横浜戦に先発する。ロッテ浦和球場の室内練習場で、ランニングなどで調整。登板日について明言を避けたが、その目は自信と責任感に満ちていた。「早く投げたい気持ちが強いです。セットポジションでの投球がよくなってきた」。強気なコメントに、はやる気持ちをにじませた。

 前回の登板でひと皮むけた。今季初先発となったオリックス戦で5回3失点。勝ち投手の権利を持ってマウンド降りた。白星はつかなかったが、最速147キロの直球を強気に投げ込む姿勢に秋山監督も「マウンドさばきも良かった」と高評価。高山投手コーチも「十分に1軍で通用するものはある」と成長を認めた。

 それまでは、緊張やプレッシャーから球威を生かせない投球が目立った。だが「マウンドに上がったら思い切り腕を振ることだけを考えるようにした」と、無心になることを覚えた。秋山監督も視察した21日のウエスタン・リーグ中日戦(福岡ヤフードーム)でも2イニングを投げ、5奪三振と結果を残した。

 セ・リーグとは初対戦になるが「相手どうこうより、自分のピッチング」と余計なことは考えない。現在先発ローテーションは和田、杉内、小椋、大隣の4人が左投げと、著しく偏っている。右腕・岩崎にかかる首脳陣の期待度は高い。プレッシャーは大きいが、乗り越えればチームにとって大きな1勝になることは確か。将来の右のエースが悲願のプロ初勝利へ向け、思い切り腕を振る。

 [2010年5月25日12時7分

 紙面から]ソーシャルブックマーク