<日本ハム2-4阪神>◇29日◇札幌ドーム

 日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が、白星から見放された。阪神に今季ワースト9安打を浴び、7回4失点で4敗目を喫した。中7日と登板間隔をあけ万全を期したが、過去5戦負けなし4勝と好相性だった相手に、不運な当たりと守備のミスもありプロ初黒星。交流戦首位はキープしたが、エースはここ4戦白星なしと深刻な状況で、またもトンネルから抜け出せなかった。

 苦悩は深い。ダルビッシュは、潔く運命を受け入れた。要所でこらえ切れず、逆転負け。援護が序盤のわずか2点だけでも、自分を責めた。「なかなかうまくいかない。白星がつかない時期もあると思っているし…。野球なのでしょうがない」。圧倒的な力だけでは優劣がつかない、野球の難解さを痛感した。5戦で1勝2敗の5月を、失意のままフィニッシュした。

 エースの使命と向き合い、非を認めた。2点のリードを奪っていた4回に、つまずいた。先頭の金本に142キロの直球系を、左中間へ運ばれた。新井に三塁強襲安打を浴び、その後は失策、野選も絡み一気に追いつかれた。無死一、三塁のピンチで失点を防ごうと、野手陣が必死にプレーした上での結果論での守乱。「もっとミスが出たところで、自分が我慢できれば良かった」と戒めた。

 ここ4試合で出口が見えない中で、今後へのきっかけになる1敗だった。それまでの3戦で、自責点はわずかに1点。快投が報われないジレンマがあっても、おかしくない内容だった。29日は緊迫した展開とはいえ、2点差以上のアドバンテージを登板中にひっくり返されたのは今季11試合目で初めて。この日だけは「いい球も投げられていなかった」と、内容と現実が重なった、納得できる敗戦だった。

 交流戦首位はキープしたが、セ勢相手のチームの3敗すべてが登板試合。梨田監督は「ダルビッシュに勝ちがつくとチームも変わる。全然、雰囲気が違うからね」と悩みを打ち明けた。先発4戦以上、勝ち星から遠ざかったのは、沢村賞を獲得した07年以来3年ぶり。ダルビッシュは「原因というか運もある」と、静かに今を見つめた。現状打破の近道を探し、またマウンドへ向かう。【高山通史】

 [2010年5月30日10時49分

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