<ソフトバンク4-2中日>◇29日◇福岡ヤフードーム

 中日チェン・ウェイン投手(24)がソフトバンク打線に4点を献上し、今季5敗目を喫した。8回を投げ、許した安打は5本だけだったが、一瞬のすきをみせたことが、黒星を招いた。これで首位巨人とのゲーム差は今季最大の5・5に広がった。

 「ボール自体は全然悪くないが、大事なところで打たれたり、長打が自分を苦しめてしまった」。3回までは無安打ピッチング。だが4回、先頭本多に死球を与え、1死二塁となった後、多村に抜けたフォークを右中間に運ばれて同点に追いつかれると、続く松中にも左前適時打。瞬く間に逆転を許した。

 さらに5回には、プロ通算2本塁打の先頭山崎に高めに浮いた初球の直球を左翼席に運ばれ3点目。「お互い、初球はストライクを取りに行きたい思いがあったが、それが浮いてしまった」と、捕手小山。8回にも本多に4点目となる適時三塁打を浴び、今季2度目の完投も報われなかった。

 09年、24試合で10本だった被本塁打は今季、10試合で早くも7本。大半の打者を抑えながら、甘く入ったボールで1発を浴びて負ける悪い癖は、今年も解消できていない。

 落合監督は、無駄な失点を繰り返し、黒星が先行しているチェンに「評価しないよ。どんなボールを投げようと、負けが付けばその投手の責任なんだ」と、厳しい言葉。「もしオレが投手だったら完全試合を目指していくぞ。次はノーヒットノーラン。ダメだったら完封、完投。そういうシチュエーションをしていけば、防げるところは防げるんじゃないの?」。教訓を与え、次回の奮起をうながした。【福岡吉央】

 [2010年5月30日10時57分

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