<楽天4-2広島>◇30日◇Kスタ宮城

 「1番中堅・聖沢」の足と粘りが、楽天に勝利を呼んだ。初回だ。3球でカウント2-1と追い込まれながら、ファウルで粘った8球目、フルカウントからの直球を中前打とした。

 次打者・高須の3球目に二盗成功。無死二塁とチャンスを広げ、高須の二塁強襲安打で先制のホーム踏んだ。高須の安打は、二遊間の当たりに飛び込んだ広島東出のグラブをはじき、外野へわずかに転がったもの。本塁生還は、ためらわずに加速した聖沢の好判断だった。

 1回に盗塁すると、得点率は100%だ。聖沢の初回盗塁成功は4度目で、すべてのケースで得点している。聖沢は「僕は、監督のサインで走っているだけですよ。サインのタイミングがいいんじゃないですか」と謙遜(けんそん)して話す。一方のブラウン監督は「走塁において、彼はいい経験を積んでいる。聖沢は1試合ごとに成長している。信じて起用することが成長につながっているんだと思う」と、1番抜てきが間違っていなかったとばかりに胸を張った。

 足で先制に貢献した聖沢は、この日の自身のプレーには「粘ることができたことがよかった」と話した。7回1死二塁。初回同様、3球で2-1と追い込まれたが、ファウルで粘って8球目に四球を選んだ。得点にこそ絡まなかったが、1番打者としての役割を果たせたと納得。この日は故郷・長野から後援会のメンバー約40人がKスタ宮城に駆けつけた。3年目でつかんだ「1番中堅・聖沢諒」を存分に堪能させたはずだ。【金子航】

 [2010年5月31日11時33分

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