<楽天3-2阪神>◇1日◇Kスタ宮城

 鉄平の打球は渡辺の足元を抜けた。懸命に伸ばした阪神鳥谷敬内野手(28)のグラブも届かず、センターに転がった。9回痛恨のサヨナラ負け。交流戦初の3連勝を逃した真弓監督は開口一番「痛いね、やっぱり」と先頭嶋に与えた四球を悔やんだ。

 だがすぐ話題を切り替えたのは打線の方だった。金本のソロと代打関本の適時打の2点では勝てない。鳥谷を1年ぶり1番に起用した新打線の不発。「点を取らないとしんどいわね、もうちょっと」。Kスタ宮城のベンチ裏に厳しい顔が浮かんだ。

 右手人さし指を突き指した鳥谷の5戦ぶり先発復帰は、試合前練習で最終判断した。しかも指定席の3番ではなく、昨年6月8日ソフトバンク戦(甲子園)以来の核弾頭。3番マートン、4番金本が機能した新打順で日本ハムに連勝したことを踏まえ、鳥谷1番を決断した。超攻撃的オーダーを組み、昨年敗れたラズナー撃ちに挑んだ。

 だが先発復帰した鳥谷の気合は空回りした。左飛、投直で迎えた6回1死二塁の好機は、143キロに真っすぐに詰まって遊ゴロ。「先にもう1点、追加点が取れてると、楽な展開になったと思うんだけど…」。真弓監督も残念がった場面でその裏、金本のソロを守って来たスタンリッジが逆転された。さらに同点に追いついた8回2死一塁でも、小山の変化球に三振。4打席無安打で打線を引っ張れなかった。鳥谷は「自分の力不足です…」と敗戦の責任を背負った。

 もっとも帰ってきた遊撃では、不安を一掃するプレーを連発した。1回1死一、二塁で中村紀のゴロをさばいて併殺完成。3回は中前へ抜けそうな高須の打球を好捕し、落ち着いて一塁へワンバウンド送球した。すべての守備機会を無難に処理。患部は完治しておらず、テーピングで固めての“強攻出場”だったが「守備?

 大丈夫です」と意地で9回を守り抜いた。

 「的を絞り切れなかった」(真弓監督)ラズナーに7回2安打に抑えられ、返り討ちにあった。だが鳥谷が戻り、レギュラー全員が先発に並んだことは、敗北の中の収穫だ。悔しさを糧に、もちろん鳥谷もリベンジを期す。2日の2戦目を取り返し、4日から甲子園に迎え撃つ岡田オリック戦に弾みをつける。

 [2010年6月2日11時43分

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