<阪神3-3ソフトバンク>◇7日◇甲子園
ソフトバンク長谷川勇也外野手(25)が「球児打ち」で執念の同点打を放った。2-3と1点ビハインドの8回2死三塁、マウンドに仁王立ちするのは阪神藤川。カウント1-1から、153キロ直球が迫る。胸元をえぐるような内角への剛速球に、折りたたんだ両腕を振り抜いた。「捕るなっ!」。執念を乗せた打球は、絶対守護神のグラブをはじいて転がった。歯を食いしばって一塁を駆け抜けた。内野安打だ。同点だ。悲鳴巻き起こる甲子園で、八重歯を見せて喜んだ。
長谷川
気持ち一本で打った。1軍に戻ってからも中途半端な結果が続いていたので、ここで何とかしたいという気持ちだった。
気持ちだけでなく「指1本」も功を奏した。藤川の速球に対応するため、バットを指1本分、約2センチ短く握っていた。「その分だけ、うまくとらえられた」。内角の直球にも詰まらされなかったのは、冷静な準備があってこそ。4万5928人の観衆が埋め尽くした甲子園の異様なムードにも、昨季の3割打者は動じなかった。
劣勢を引き分けに持ち込んだ価値は大きい。秋山監督も「杉内(の投げた試合)で落とさなくてよかった。最低限のところだな」と4時間11分の熱戦に及第点をつけた。不振で2軍落ちを味わい、前日6日に再昇格を果たしたばかりの背番号30にとっても、収穫のある一戦だった。「ああいう緊張感のある場面で打てて自信になった」。胸を張って帰りのバスへ乗り込んだ。【太田尚樹】
[2010年6月8日11時19分
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