<西武4-8阪神>◇10日◇西武ドーム

 阪神下柳剛投手(42)は百戦錬磨の投球術で自身2連勝を飾った。初回に3点の援護を受けながら、2回に2失点。1点リードの3回には1死満塁とされるが、7番GG佐藤を3球連続のスライダーで遊ゴロ併殺打に仕留める。以降は抜群の安定感を取り戻した。

 「勝ったのが1番。(3回は)自分のミスもあって招いたピンチ。いらんとこでフォアボールを出したし、とにかく必死だった。城島が的を絞らせないように工夫してくれた」。

 7回101球を投げ、2失点で4勝目。今季初の中5日登板で、今季初の100球超えだ。2戦連続で7回を投げ、リリーフ陣の負担も軽減。「いつも長いイニングを投げられるように、それだけを考えています」。5月26日西武戦(甲子園)で投げ負けた石井一にもリベンジをかました。

 42歳にしてなお衰えぬ向上心が野球人生を支える。すでに熟練の投球術を確立していた3年前、新球カーブの習得に乗り出した。日の当たらない練習中から地道に磨きをかけ続ける。昨季は山口1軍投手コーチから素朴な質問も受けた。

 山口コーチ

 練習では投げるのに試合でカーブを投げないのは、なんでや?

 下柳

 まだまだですから。

 そして今季、新球はついに武器のひとつとなった。この日は100キロ台前半のカーブを3球投じ、空振り2つ&三ゴロ。効果的なスパイスを手に入れ、投球の幅をまた広げている。

 季節は夏が近づく。母校の長崎瓊浦高グラウンドでは、後輩たちが最後の大会に向けて猛練習に励む。「頑張るように言っといて」。多くを語るより、背中で周囲を鼓舞する。変わらず頼もしい42歳に、虎は支えられている。【佐井陽介】

 [2010年6月11日11時18分

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