打つ方で異例の首位奪回ローテ結成や!

 3ゲーム差で首位西武を追うソフトバンク秋山幸二監督(48)が一塁、DHの2ポジションに小久保、松中、ペタジーニの3人をローテーションで起用することを明言した。3人合計951発の豪華トリオのうち、1人を代打で待機させる贅沢プラン。小久保は6日、ウエスタン・リーグ、オリックス戦(雁の巣)で35日ぶりに実戦復帰。順調なら10日のロッテ戦(福岡ヤフードーム)で1軍復帰する。

 小久保は6日に2軍戦で実戦復帰し、10日にも1軍復帰する。離脱前までに10本塁打を放った主将の復帰は首位追撃へ大きな起爆剤だが、小久保、松中、ペタジーニの大砲3人ともが体調面での不安を抱えている。打力を生かしながら守備面での負担を減らすため、考え出されたのが打線では異例のローテーション制を敷くことだった。

 東京への移動日だった5日、指揮官は3人の起用法について「小久保が戻ってきてから考えるけど、兼ね合いになる。調子のいい人から」と明言した。体調と打撃の調子、相手投手との相性を考え、小久保、松中、ペタジーニの中から最善の2人をピックアップ。残った1人は代打で待機させる。現状の打線を考えれば、4番多村の後の5、6番を3人で回して起用することになる。

 小久保は離脱前52試合の出場中、51試合に一塁で先発出場。だが、故障明けと38歳という年齢を加味すれば、復帰後は指名打者での出場も当然増える。指名打者以外では、左翼を守れる松中、一塁を守れるペタジーニは、いずれもひざに不安があり、従来は交互にDH起用を続けてきた。ここに小久保が加わり、さらにハイレベルなスタメン争いが勃発(ぼっぱつ)する。

 もったいない気もするが、3人の打力を維持し、大事なシーズン終盤でチームが失速しないためにも最善の策だ。またリーグ本塁打王のオーティズが左翼と三塁、将来の大砲候補・松田が三塁、一塁、外野を守れるため、ゲーム終盤には数多くのオプションを試すことも可能になる。豪華951発トリオを「フル活用」して、秋山ホークスが、7年ぶりのVに突き進む。

 [2010年7月6日11時29分

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