<阪神6-1ヤクルト>◇6日◇倉敷
盗塁死あり、重盗あり、アレレのけん制死あり…。城島健司捕手(34)が倉敷を舞台にランナーで沸かせた。1点リードの4回1死一、二塁。二塁走者城島が仕掛け、あっと驚くチーム初のダブルスチール成功させた。ここから広がった満塁機で鳥谷の適時打が生まれた。「サインミス」と城島は笑い飛ばしたが、結果オーライ?
のビッグプレーで勝利を呼んだ。
城島劇場、倉敷公演は大成功だった。この日の演目は「ジョーの足」だった。味方もビックリのスチールが、貴重な追加点をアシストした。見せ場は、1-0の4回。1死一、二塁の二塁走者で背番号2が仕掛けた。村中の大和に対する4球目。百戦錬磨の洞察力で、モーションは盗みきっていた。それでも、迷いなくスタートを切った城島の姿に、ベンチの真弓監督もあっけにとられた表情を見せていた。余裕のセーフ!
満塁とチャンスが広がり、鳥谷のタイムリーにつながった。
勝利後の城島はあっけらかんと言った。「サイン違いですよ。サイン違いも、たまにはいいときがありますよね。罰金払って、褒められておきます」。名俳優は笑いながらバスに乗り込んだ。ミスから生まれたビッグプレー?
が、流れを引き込んだことは間違いない。
序章で布石もあった。やられたら、やり返す。今季チーム初の重盗は、城島の洞察力と、反骨心が生み出した。2回の1打席目は、死球で出塁。だが、浅井の打席でフルカウントからスタートを切ると、浅井が空振り三振に倒れた。ビックリしたジョーは、二塁から一塁へ全力疾走で帰塁を試みたがタッチアウト。そのままスピードを落とさずに、全速力でベンチへ退散…。これには、2万4546人の倉敷のファンも笑いをこらえきれなかった。
最後にオチも付いていた。先頭の6回は四球で出塁。またしても浅井の打席でフルカウントから飛び出したところを、捕手相川からのけん制球でタッチアウト。自らが得意とするプレーで刺されるとは…。三振ゲッツーの苦いシーンとなった。
七夕を前にして、選手全員に球団関係者から短冊が渡された。「みんな日本一とか書いてるんだけどね、オレは『大漁』って書いたよ」。釣り愛する男は、ちゃめっ気たっぷりに言った。何をやっても絵になる男。この夜はバットでも鬼肩でもなく“陸”を攻めて勝利をもたらせた。【鎌田真一郎】
[2010年7月7日11時42分
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