<全イ3-6全ウ>◇22日◇長崎
夏男の本領発揮だ。フレッシュオールスターゲームは、ウエスタン選抜が3本塁打の1発攻勢でイースタン選抜を下した。昨夏の甲子園優勝投手の広島堂林翔太内野手(18)が7回に左翼席へ豪快に放り込んだ。打者に転向したドラフト2位ルーキーが、持ち前の長打力を披露した。23日は1軍のナイター練習に合流予定で、初昇格を目指して猛アピールした。
未来へと伸びる弾道を、長崎の夜空に描いた。3点リードの7回無死。広島堂林は、甘い球は逃さない。ロッテ林の外角低め速球を軽く振り抜くと、打球はフワリと舞って左翼席へ。全イにダメージを与える一撃だ。「1、2打席目に力が入って思うようなスイングをできていなかった。3打席目は力を抜いて、しっかりスイングできた。チームでもっとも必要な長打を打てる打者が、求められていますから。そういうことも結構言われています」と、満足することなく先に目を向ける。
昨夏の甲子園では中京大中京のエースとして「優勝投手」の称号を得たが、悩み苦しんでいた。2軍野手で最多の63試合に出場するなど不動のレギュラー。それでも、打率は1割9分9厘に低迷している。テレビで「打席に入るのが楽しくないんです」と漏らしたこともあった。これを耳にした山崎2軍監督から「そんなのは、当たり前だ。アマチュアのときは楽しかったかもしれないけど、オレはプロで打席に入って楽しいと感じたことは1度もないぞ。1本打てば、もう1本…。いつ打てなくなるか、常に不安を感じる仕事なんだ」と諭されて、目が覚めた。
現役時代、通算1404安打を重ねた同監督のひと言は、プロの厳しさを痛感した瞬間でもあった。プロの球のキレ、配球…。失敗して、レベルの違いを乗り越えてこそ1軍で活躍できる。「それが当たり前です。そこから(失敗して)いろんなことを感じていけばいい」と、甘えは消した。両親が見守る長崎で、勝負に徹する男のプレーを必死に見せた。
試合前には、昨年9月の日米親善高校野球の全日本選抜でチームメートだったソフトバンク今宮と話し込むなど、たっぷり刺激も受けた。一流への登竜門といわれる舞台で結果を残し、23日にはマツダスタジアムでの1軍練習に合流。「来る球は当たっている。1発でとらえられたのは自分でも大きな財産になった。これから生かしていければいい」。今年も熱い夏を過ごす。【酒井俊作】
[2010年7月23日8時42分
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