<阪神1-7広島>◇26日◇鳴尾浜◇ウエスタン

 投壊を救え!

 右足甲の骨折で実戦を離れていた阪神能見篤史投手(31)が、ウエスタン・リーグ広島戦で復帰した。坂井信也オーナー(電鉄社長=62)が見守る異例の“御前試合”で、最速147キロをマークし、2回を自責0。次回9月3日の同オリックス戦(鳴尾浜)で最終テストをクリアすれば、9日中日戦(甲子園)での1軍復帰が濃厚となった。チームは先発下柳が崩れて広島に敗れ、1日で首位を陥落。長期ロード負け越しも決まり、復活を期す左腕にかかる期待が膨らんだ。

 阪神投手陣がまた、崩れた。先発下柳が5回もたずに4失点KO。逆転劇はお手のものの打線も、この日は、はね返す力がわいてこない。広島に1-6で敗れ、また1日で首位陥落。6試合続けて先発投手に勝ち星がつかず、あらためて投壊ぶりを露呈した。気がつけば、2年ぶりの長期ロード負け越しも決まっていた。

 その6時間あまり前、甲子園から直線距離で約2キロ離れた鳴尾浜球場で、ファンが、チームが待ちわびた名前がコールされていた。「9番、ピッチャー、能見!」。右足甲を骨折した5月2日巨人戦(甲子園)以来、116日ぶりの実戦登板。平日の昼間でも満員の球場が、沸き返った。

 能見は26球を投げ、直球の最速は147キロを計測した。カーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップと持ち球をすべて駆使し、2回1安打1失点(自責0)。2回に失策が絡み堂林に適時打されたが、最少失点に食い止めた。「あんなもんだと思います。4カ月ぐらいたっているので。不安なく投げられました」。懸案の守備も、スムーズにベースカバーに入るなど無難にこなした。

 ネット裏では、坂井オーナーが見守っていた。「後の状況は分かりませんが、早く戻って来てほしいですね」。異例の“御前登板”は、期待の大きさにほかならない。好投の能見に、オーナーも早期復帰を確信したようだった。

 次回登板の3日ウエスタン・リーグ、オリックス戦(鳴尾浜)が、1軍復帰への最終テストとなる見込み。クリアすれば、9日中日戦(甲子園)での登板の可能性が濃厚だ。順調なら、さらに16日横浜戦(横浜)、23日中日戦(ナゴヤドーム)、29日巨人戦(甲子園)での先発が予想される。中日には06年8月12日に敗れてから、負け知らず。首位争いを演じる巨人相手には5連勝中だ。DGキラーとして、大きな期待がかかる。

 復帰へあと1歩。「(復帰までの時間が)たってみれば早かったけど、サポートしてくれた人は大変だっただろうし、早く恩返しをしたい」。苦しい投手ローテーションが続く中、能見の完全復活が優勝への切り札となる。【鎌田真一郎】

 [2010年8月27日11時22分

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