<西武6-5日本ハム>◇7日◇西武ドーム
西武が4点差を追いつき、最後は劇的なサヨナラ勝ちで決着をつけた。中盤までは劣勢も、7回に打者10人、6安打を集めて5点を奪い逆転。直後に追いつかれたが、9回に中島裕之内野手(28)が犠飛を放った。ソフトバンクが勝ち、負けられなかったが、2位と1・5ゲーム差をキープした。
世にも奇妙な儀式が行われた。9回無死満塁。打席に入る前、中島が両足の太ももを何度も“グーパンチ”した。普段から「筋肉に刺激を与えるため」とベンチ裏で懸垂をすることもあるが、この場面の狙いはさらに明確だった。「内角に来たら当たってもいいように。外は少々ボールでもいく」。外角に思い切って踏み込み、体を張って日本ハム武田久の得意球シュートを封じ込める。その2球目、狙い通りスライダーを右翼後方へ高々と打ち上げた。サヨナラ犠飛で、歓喜の瞬間を迎えた。
「おいしい場面だったし、絶対決めたろうと思ってました」と胸を張った。7月の球宴休み期間中に、首位を走るチームを代表してイギリスの番組制作会社「IMG
Media」に取材を受けた。「アジアスポーツ特集」と銘打たれた番組は世界の約80カ国にネット配信。フィギュアスケートの浅田真央や体操の内村航平といった五輪メダリストに並んで、野球界の顔として紹介された。そのことを聞いても「ああ、そうですか」と驚きもしない。チャンスで勝負強いのは、そもそもの器の大きさが違うからだ。
4点を追う7回には、2死から四球をはさむ5打数連続安打で5得点。2死満塁のチャンスでも、一時同点となる2点適時打を放った。詰まりながらも振り切り、野手の間に落とした当たりの連続だった。渡辺監督は「グチャグチャっとした当たりばかりだけど、選手のチームの粘りを感じた」と求めていた一丸の姿勢にうなずいた。7回の粘りがあって、9回があった。負ければ日本ハム戦の今季負け越しが決まるという一戦でみせた執念は、優勝への確かな自信となる。【亀山泰宏】
[2010年9月8日9時9分
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