投手陣が10点も失って、阪神まさかの完敗だ。一塁ベンチ裏には、重苦しい雰囲気が漂った。負ければ、首位陥落の攻防戦を、復活の左腕に託す。

 能見篤史投手(31)が9日に4カ月ぶりの1軍先発マウンドに上がる。5月2日、巨人戦(甲子園)で走塁中に右足楔状骨剥離(けつじょうこつはくり)骨折して以来の復帰戦だ。「今、細かいことを言っても仕方がない。自分のできることをするだけ」。かなりの重圧がのしかかる。それでもポーカーフェイスが代名詞の能見は静かに闘志を燃やした。

 ルーキー秋山の台頭があったとはいえ、台所事情は決して潤沢とは言えない。この日はメッセンジャーが2回途中でKO。昨季13勝を挙げた左腕にかかる期待は大きい。もちろん、本人も自覚している。「戦力にならないと意味がない」とはっきり口にした。見事に復活を遂げれば、優勝の道が一気に開ける。

 今季は負傷まで5試合に登板し、無傷の3勝で防御率3・62。4月24日の中日戦(甲子園)では6回1失点と好投して3勝目をあげている。昨季も中日戦は1試合のみの登板ながら、7回2失点で白星を挙げた。Gキラーの印象が強いが、竜斬りの実績も十分だ。

 スカイマークでの最終調整は、キャッチボール、ダッシュで汗を流し、最後は入念にバント練習に励んだ。準備は終わった。4カ月分のうっぷんを晴らす時が来た。【佐井陽介】

 [2010年9月9日11時29分

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