<ソフトバンク5-0楽天>◇8日◇福岡ヤフードーム

 王会長も大絶賛の2打席連発だ!

 ソフトバンク多村仁志外野手(33)が、2打席連続アーチでチームに3連勝をもたらした。まずは3回の第2打席で、7日に続く2試合連続の24号先制2ラン。5回の第3打席でも中押しの25号2ラン放ち試合を決定づけた。07年5月18日以来の2打席連発で本塁打数はチームトップ、リーグ2位に浮上。昨季までのプロ15年間で優勝経験のないスラッガーが、悲願のリーグ優勝までチームを引っ張り続ける。

 まるで、前夜のVTRだ。3回裏1死一塁。多村が、楽天永井の外角スライダーを左中間席にぶち込んだ。先制の24号2ランは、前日に放った23号先制3ランとほぼ同じ位置に着弾。「会心の当たりでしたね」。これまた前夜と同じく四球で出塁していた前打者の小久保が、ホームで出迎えると満面の笑みでハイタッチを交わした。

 ただ、ここからが前夜と違った。続く5回2死一塁での第3打席。今度は永井の外角直球をバックスクリーン右へ運んだ。「逆らわずセンター方向に、という意識で打ちました」。移籍1年目だった07年5月18日の日本ハム戦以来の2打席連発で3連勝を決めた。

 2打席連発という事象以上に、その内容が好調を示している。2日で3本塁打を目にした王会長は「見事だったね。軽く振ってる感じなのに、あれだけ飛ぶんだから」と大絶賛。前日の23号同様に、一見ミートしただけに見えるスイングに「何で同じ人間なのにあれだけ飛ぶんだ、というのが大事なんだ。コツをつかんだんじゃないかな」と力説。これを伝え聞いた多村は「自分ではまったく軽く振っているつもりはないんですけどね…」と、うれしそうに照れ笑いを浮かべた。

 3年ぶりの2打席連発は、引退する先輩へのはなむけでもあった。横浜高で7学年上である広島高橋健が引退を表明。「いつも『ケガは大丈夫か』とか声をかけてくれていた。残念…」。横浜時代の04年には、その高橋健からのアーチを含む3打席連発をマークしたこともある。「(高橋健からのアーチは)バックスクリーンだった。バックスクリーンがなかったら、センターの場外にいってた」。この年は自己最多の40本塁打をマーク。06年から昨季までは4年連続で20本塁打にすら届かなかったが、5年ぶりのシーズン30本塁打も見えてきた。

 7回の守りでは1死満塁のピンチで楽天草野の右中間の当たりを好捕。攻守で貢献し、首位西武とのゲーム差1・5をキープした。秋山監督も「タムの2発は、昨日の本塁打といい完ぺきだったな」と王会長同様に大絶賛した。「優勝争いのプレッシャーはない。毎試合ベストパフォーマンスを発揮するだけ」と話す16年目のスラッガーが、まだ経験のない、優勝の瞬間までチームを引っ張り続ける。【倉成孝史】

 [2010年9月9日11時50分

 紙面から]ソーシャルブックマーク