<西武0-5日本ハム>◇9日◇西武ドーム

 巨漢助っ人が、和の心で丹念に88球を積み上げた。日本ハムのブライアン・ウルフ投手(29)が7回無失点で、会心の完封勝利へ導いた。連敗を3でストップ。逆転Aクラスへの夢をつなぎ留めた。「シーズンはこれからどうなるか分からない。モチベーションは高い」。鼻息荒く上がったマウンドで、先発転向後2連勝を飾った。

 心が震える瞬間に立ち会い、スイッチが入った。試合前の選手食堂。梨田監督がコーチ、選手を集合させて訴えた。「まだ優勝をあきらめるところじゃない」などとゲキを飛ばした。儀式の締めに登場したのは、前夜に攻守にボーンヘッドで“懲罰交代”をさせられた糸井。同監督が「糸井が一言あるらしい」と全員の前に引きずり出し、謝罪をさせた。

 個人主義が主流のメジャーでは、味わえないような一体感。ウルフもエゴを捨てた。自慢の速球系に中盤以降は、カーブを織り交ぜた緩急で揺さぶった。中継ぎを任されていた時は力勝負に徹したが、自分のスタイルを捨てた。「向こう(西武)にはサプライズ的だったと思うよ」。大胆な変身策が奏功した。

 残り15試合で、まず負の連鎖を断ち切った。西武戦の今季勝ち越しも決定。梨田監督は「昨年のリーグチャンピオンがこの時期に(同一カード)3連敗は情けない。阻止しないとと思っていた」と一息ついた。10日から敵地で2位ソフトバンクと3連戦。ウルフが、ミラクルへ向かう推進力になった。【高山通史】

 [2010年9月10日10時31分

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