<阪神4-7ヤクルト>◇10日◇甲子園

 エースの踏ん張りが逆転勝利を呼び込んだ。ヤクルト石川雅規投手(30)が7回途中6安打2失点と力投。58、59年の金田正一に並ぶ球団タイ記録の1シーズン9連勝をマークした。2回までに5安打2失点と、立ち上がりは苦しんだ。しかし尻上がりに調子を上げ、3回から6回まで阪神打線を無安打に抑え込むと、7回に打線が4連打などで逆転してくれた。

 「粘ると打線が援護してくれるので、我慢強く投げました」。前回登板の1日巨人戦も6回3失点と粘ると、降板後に打線が同点に追いついて黒星を消してくれた。最少失点に抑えるエースのマウンドさばきが、味方を鼓舞している。それでも、笑顔は少なかった。2回1死一、三塁で、一塁にけん制した際に一塁走者の藤川俊がスタート。一塁への送球が山なりとなり、二盗を許してしまった。「僕のミスなので修正したい」と反省を忘れなかった。

 開幕から6連敗を喫する苦しいシーズンとなったが、これで7月から負けなしの9連勝。11勝目を挙げ、自身の貯金も3。「すごい方を追い越せるなら頑張りたい」とカネやん超えにも意欲を見せた。エースの戦いはまだまだ終わらない。【由本裕貴】

 [2010年9月11日7時49分

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