<ソフトバンク1-2日本ハム>◇10日◇福岡ヤフードーム
連夜の「まさか」でソフトバンクががけっぷちだ。守護神馬原孝浩投手(28)が今季49試合目の登板で初黒星を喫した。1-1の延長10回、先頭の四球をきっかけにピンチを招いて日本ハム森本に決勝スクイズを決められた。セットアッパー摂津正投手(28)が逆転負けを喫した9日に続く痛恨の1敗。首位西武と2・5ゲーム差に開き、11日にもライバルに優勝マジックが点灯する危機に立たされた。
無敗の守護神が負けた。敗戦の瞬間を見届けると、ほおをこわばらせた馬原がベンチを去った。自分への怒りを押し殺すのに必死だった。今季49試合目の登板で喫した初黒星。「1点を取られたら終わりだから」。連夜の悲劇を見せられたホークスファンのため息が、福岡ヤフードームに充満した。
痛すぎる連敗だ。秋山監督も「ハァ~」と深く息を吐き出した。ショックは大きい。ベンチ裏の会見場でも言葉が出てこない。沈黙の後に「何もないな」と声を絞り出した。前夜には摂津が3失点で逆転負けを喫したばかり。3日から1週間変わらずキープしてきた西武との差が、ついに2・5ゲームへと拡大してしまった。
馬原にとって、先頭打者への四球が痛恨だった。同点の10回表からの登板。先頭の大野に対し、制球が定まらない。4球連続のボールで歩かせた。1死一、三塁のピンチを迎え、森本への初球もボール。2球目の直球をバントで一塁線へ転がされた。「(三塁走者のスタートは)見えていたけど、外しきれなかった」。マウンドをかけ降りて打球をつかんだ時には、もう手遅れ。重すぎる1点を奪われた。
史上3人目の快挙も目前で夢と消えた。「今年は0敗でいきたい」。1月の自主トレ前から誓っていた目標だった。今季は過去48試合で5勝30セーブと完全無欠の数字を残していただけに、馬原1人を責めるのは酷だ。だが、優勝争いの佳境で大きな1敗を喫してしまった。
チームの「不敗神話」も崩れ去った。今季は過去14度の延長戦で8勝1敗5分け、交流戦を除くリーグ戦では無敗を誇っていた。必勝リレー「SBM」を中心にして支えてきた勝負強さが、最後の最後でほころびを見せ始めている。
ついにがけっぷちへ追い込まれた。11日の結果次第で自力優勝は再び消滅して、西武にマジックが点灯する。杉内とダルビッシュが激突するエース対決は、絶対に負けられない1戦となる。秋山監督は「あとは気持ちだけだな。明日からいこう、また」と、呼びかけた。馬原も「切り替えてやるしかない」と自分に言い聞かせた。残りは11試合。優勝への思いがどれだけ強いのか、チームの執念を試される真の正念場を迎えた。【太田尚樹】
[2010年9月11日10時41分
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