<横浜6-3阪神>◇14日◇横浜

 横浜の豪雨にトラがしぼんだ。5年ぶりの優勝に向け、阪神は乗り越えなければならない試練が訪れた。最下位横浜に痛恨の逆転負け。2点リードした2回に降雨で32分間の中断があり、流れは一変した。村田に逆転2ランを浴びると、走塁ミスやあと1本が出ないもどかしい攻撃で再逆転はならず。これで首位中日に2・5差と離され、3位巨人にはゲーム差なしに肉薄された。近年、苦い思い出の多い「9月以降の横浜」。ここを突破しなければ、勝負の巨人中日6連戦に向かえない。

 5年ぶりリーグ制覇の道のりはやはり険しかった。勢いをつける3連勝の期待が高かった横浜戦で、初戦を落とした。真弓明信監督(57)もさすがに厳しい表情を見せた。「打つだけじゃなく、走塁のミスもあった。焦りがあるかもしれないが、焦っても何でも勝たないといけないゲームだった」。残り20試合を切った時点で、とりこぼしは許されない。そんな状況での逆転負け。首位中日を追うどころか、巨人とゲーム差なしに迫られた。5月22日オリックス戦以来となる3位転落も目前。ルーキー秋山のプロ初完封勝利の流れも生かせず、苦しい日々が続く。

 不運の雨が降った。2回にブラゼルと城島のアーチで2点を先制。しかしその直後に大雨のため、試合は32分間も中断した。ベンチ、ロッカールームでナインは待機。この合間に、チームの歯車は狂ってしまった。スタンリッジの乱調に加え、打線も4回以降はゼロ行進。毎回、走者は出したが、本塁が遠い。5回には一塁走者の平野がけん制に飛び出し、タッチアウト。7回には城島の右飛でタッチアップを試みた鳥谷が本塁で憤死。9回表2死一、三塁では金本が力なく二ゴロに倒れ、最後の打者になった。

 特に金本の不振は深刻だ。9月に入り、36打数6安打、1打点。打率は1割6分7厘だ。和田打撃コーチも「あれが、本来の姿じゃない。タイミングがずれてるというか、つねに打つというのは難しいのかなあ。」と首をひねった。この日はラッキーな内野安打による1安打だけ。あと1本が出ない打線の象徴的な存在になってしまった。

 シーズン終盤の敵地・横浜は嫌な雰囲気が漂う。08年10月10日に村田の逆転3ランで歴史的なV逸が決定。当時とは状況も時期も違うが、トラウマとして残っているのか。9連勝していた相手に、雨の不運も重なって、まさかの黒星を喫した。それでも、そこまで追い詰められた訳ではない。まだまだ挽回(ばんかい)は可能だ。「もう1度、締めて、明日からしっかりと戦っていきたい」。真弓監督は力強く言った。巨人、中日との重要な6連戦はあるが、それを忘れて、打倒横浜に燃えるだけだ。【田口真一郎】

 [2010年9月15日10時44分

 紙面から]ソーシャルブックマーク