<ロッテ5-4ソフトバンク>◇14日◇千葉マリン

 ソフトバンクがミスに笑い、ミスに泣いた。延長11回に守備固めとして一塁に起用された明石健志内野手(24)が痛恨の失策で、チームは今季初めてのサヨナラ負け。土壇場9回で追いついたのも相手守備陣のミスがきっかけだったが、まさかの幕切れ。西武が敗れた日に自ら勝利を逃し、マジック減らしに貢献してしまった。直接対決3試合を残すが首位に3・5ゲーム差は変わらず。逆転Vが遠くかすんでいく。

 ホークスナインの、ベンチの誰もが、その瞬間、動けなかった。痛恨失策を犯した明石が、硬直したかのように棒立ちとなった。その隣で一塁ベースカバーに走っていた馬原も、呆然(ぼうぜん)と立ちつくした。ベンチ最前列の長イスに腰掛けていた秋山監督も動けない。延長11回、1死満塁。総力戦の幕切れは、一ゴロを処理した明石の本塁悪送球。信じたくないプレーは、今季初めてのサヨナラ負けに直結した。

 秋山監督

 ここにきてミスがな。切り替えて?

 そりゃ、そうだよ。もっと、もっと、燃えていかんとな。もっと集中して。

 絶体絶命のピンチが、好転しかけた直後だけに、明石のプレーのショックは大きい。サヨナラシーンは、ロッテ西岡の弱いゴロ打球が、一塁明石の正面に飛んだ。明石はこの回から守備固めに入っていた。本塁アウトはもちろん、誰もが併殺も脳裏に描いたはずだ。だが、本塁送球を大事に行きすぎたのか、ワンバウンドに。普段は陽気な明石も「焦ってはいなかったですが…」と、さすがに視線をさまよわせた。ベンチに帰る際、選手会長・川崎に肩を抱かれるシーンが、痛々しかった。

 最後はミスに泣いたが、ミスに笑ってもいた。9回の攻撃。無死一塁で代走城所が1点ビハインドの局面を打開した。ロッテ小林宏-斉藤のバッテリーに、初球から二盗を挑んだ。これが、捕手斉藤の二塁悪送球を誘って三進。2死後に小林宏の暴投で同点ホームを踏んでいた。逆転Vへの夢を追い、2位を争う千葉決戦。初回には捕手山崎が二塁悪送球を犯し、3回には本多が本塁へ悪送球。「握り損なったわけではない」と本多は言ったが、両軍のミス連発は、重圧がピークに達していた裏返しに違いない。

 自力優勝復活のチャンスを逸したどころか、逆転Vが「奇跡」と表現される瀬戸際まできた。西武のマジック減らしに貢献。18日からの次カードでは直接対決3試合が待つが、3・5ゲーム差のままでは、3連勝してもひっくり返せない。西武のマジックは6。目の前で胴上げを見る危機も現実味を帯びてきた。3位ロッテとは1・5差しかない。残り8試合。負けが許されないゲームばかり。CS進出を決めても、ひとつも落とせない状況が続くのは同じだ。重圧に押しつぶされるのか。それは、今季ここまでの戦いを無駄にすることを意味している。【松井周治】

 [2010年9月15日10時54分

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