<ヤクルト2-5巨人>◇15日◇神宮
巨人が5連勝で、阪神を抜いて2位に浮上した。先発の内海哲也投手(28)が粘りの投球で5回1/3を2失点。不振が続き、6失点でKOされた9日横浜戦では原監督から「論ずるに値しない」と切り捨てられたが、終盤戦の勝負どころで役目を果たした。打線は6回、阿部慎之助捕手(31)の二塁打で先制し、9安打5得点と効率よく攻めた。セ・リーグ4連覇に向けて、ゲーム差2・5の首位中日が確実に視野に入ってきた。
雨にぬれながらクラブハウスへ引き揚げた内海は、たまっていた思いを吐き出した。6回途中2失点で3試合ぶりの白星を手にした。昨季と並ぶ9勝目。「最後だと思って。結果を残さないと、ここにいる意味がない。背水の陣だと」。偽りない告白だった。スタンドのファンに深々と一礼し、グラウンドを後にした。
前回9日の横浜戦。4回途中6失点の大乱調で、原監督には「論ずるに値しない」とまで言われた。開幕投手を務め、6月までに7勝を挙げた左腕が、7月以降わずか1勝。チームの成績とリンクするように勝てなくなった。「本当に悔しくて、つらくて」。何かを変えたかった。前回敗戦後、新しく手にした帽子のつばの裏に「やるしかない」と書いた。調整の間もピリピリムードを漂わせた。「みんなの姿を見て、もっとやらなきゃいけないと。やるしかない。何とか試合をつくれるように」。
序盤から気持ちをぶつけた。ヤクルトの先発は由規。150キロ超を連発する剛腕に引き下がらなかった。「直球が走らない」と本調子ではない分、新球スローチェンジアップを織り交ぜ緩急をつけた。3回に通算1000投球回を達成すると、5回まで散発4安打の0行進。「先制点だけは上げられない」という粘りで、投手戦を演じた。6回、気迫が仲間に伝わった。打線が由規から4安打を重ね、4点をもらい「本当に頼もしい打線で、うれしかった」と感謝した。投打一体でつかんだ勝利だった。
5連勝で、阪神を抜き2位に浮上した。原監督は「今日は非常に彼らしい投球が出来ていた。“間”もあって良かった」とねぎらった。それでも、内海は降板の仕方を反省した。援護をもらった直後、畠山に2ランを許し、6回途中で降板。「開幕投手がこういう状態だとチームは勝てない。僕はもっと出来ると思っています」と言い切った。最後まで笑顔がなかったのは、強い責任感と決意の裏返し。これまでの悔しさを、残りの登板で晴らしてみせる。【古川真弥】
[2010年9月16日8時14分
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