<広島5-6中日>◇15日◇マツダスタジアム
消化試合にはしない。広島栗原健太内野手(28)が負傷を押して出場し、中日浅尾の150キロを左前にはじき返した。試合は5-6で敗れ、中日戦11連敗、さらに借金も28に膨れた。惜敗も負けは負け…。だが栗原を中心とした赤ヘル打線の奮起が、球場に詰めかけた1万8098人のファンに届いたのか。大半の観客が最後までカープの健闘を見届けた。
執念だ。7回2死。代わったばかりの中日3番手・浅尾から、栗原が意地の左前打を放った。カウント2-2からの5球目。赤ヘルの主砲が150キロの外角低めストレートを見事にとらえた。試合前、満身創痍(そうい)ながら「4番だから」と、スタメン出場に強いこだわりを見せていた。
負傷を押しての強行出場だった。腰痛もあり、4試合ぶりに先発出場した14日の同カードで、今度は自打球を右足甲に当てた。すぐさま、石井チーフトレーナーとともに広島市内の病院に直行。負傷個所をギプスで固定し、松葉づえ姿で静まりかえった球場に戻ると「歩くのもしんどいです」とつぶやいた。中日戦10連敗となる1-10惨敗も重なり、表情はさえなかった。
それでも一夜明けたこの日、「違和感はあるが、やれないことはない」と自らを奮い立たせて栗原はスタメン出場した。この試合までの打席数は「377」。今季の規定打席「446」到達は、残りフル出場でも微妙な状況だ。だからこそ、休むわけにはいかなかった。
逆境続きのシーズンになった。6月10日のロッテ戦(千葉マリン)で右手首に死球を受けた。翌11日、群馬・館林市内の病院での診断は「右尺骨茎状突起骨折」だった。本格的な打撃再開は7月29日。大野練習場でマシンを相手に200球を打ち終えた栗原は、大粒の汗を流しながら「怖さが脳裏から離れない。その怖さがいつ消えるか分からない」と吐露した。
既に13年連続のBクラスが確定している。それでも栗原は消化試合にするつもりはない。惜敗を見届け「痛みは大丈夫です」と声を絞り出した。「残り全試合フル出場?」との問いに、背番号5は「はい」と答えた。【佐藤貴洋】
[2010年9月16日11時2分
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