<日本ハム7-5楽天>◇15日◇札幌ドーム

 日本ハムが再び4位に浮上し、逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出へ望みをつないだ。2回に先制し連続無得点イニングを「22」で止めると、5回には小谷野栄一内野手(29)が左翼観客にキャッチされる“幻の1発”の適時二塁打を放つなど、8試合ぶりの2ケタ安打で計7得点。CS進出を争うロッテ、オリックスがともに敗れたため、進出圏内に1ゲーム差で踏みとどまった。

 1度駆け抜けた塁へと戻される不思議な体験も、勝利の美酒をさらに深い味わいにするスパイスになった。「珍プレー」で本塁打と打点が幻になった小谷野だが「いやぁ、いいですよ勝ったから。これで1点差負けとかだったらアレですけど…。フェン直(フェンス直撃)くらいかと思ってましたし」と、晴れやかに振り返った。

 “事件”は1点差に迫られた直後の5回に起きた。1死二塁の場面。カウント1-1から、楽天松崎のインコース132キロ直球に体をうまく回転させ、打球は左翼スタンドへ一直線に伸びた。着弾点はフェンスの向こう側。本塁打を告げるファンファーレが場内を流れ、「小谷野選手、今シーズン第17号のホームランです」とアナウンスもされた…、が、何かがおかしい。実は、客席最前列に陣取るグラブを持ったファンが、フェンスに身を乗り出し気味に打球を“好捕”していたのだ。

 審判団の判断で本塁打は幻となり、記録は“オーバーフェンス”の適時二塁打。ベンチを飛び出してビデオ判定を要求した梨田監督も「(フェンス上部の)黄色いラインより下だったということで、(審判)4人ともに(ビデオ判定を)否定していた。珍しいよね」と驚くハプニングだった。

 2試合連続完封負けで迎えた一戦。指揮官は、9打席無安打だった森本を、不調を理由にスタメンから外した。試合前のミーティングでは「点を取らないと勝てない。0点では、引き分けはあっても勝ちはない」と選手の尻をたたいていた。8試合ぶりの2ケタ安打。盗塁も送りバントも、すべて得点につながり、再び4位に浮上した。CS出場圏内の3位ロッテにも1ゲーム差。梨田監督は「また明日は明日。ウチはみんなでやっていくしかない」。残り10試合。ラストスパートへ、ディフェンディングチャンピオンのエンジンは再点火した。【本間翼】

 [2010年9月16日11時16分

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