<横浜1-2阪神>◇16日◇横浜

 こんなに勝利を待ち望んだことは久しぶりでした。大型連敗していたわけじゃないけど、この正念場での白星は重い。1点を先制された直後の8回、鳥谷敬内野手(29)が胸のすく同点三塁打。それまでチャンスで凡退していた4番新井が、きっちりV犠飛を打ち上げ、虎党もホッとひと息ついた。さあ、中日、巨人との6連戦。勝ちまくれ!

 負けられない執念が、宿った。先制点をとられた直後で1点を追う8回1死二塁。鳥谷が、フルスイングした。カウント1-0からの加賀の内角スライダーをはじき返した。高く舞い上がった打球は右翼フェンス上段に直撃。大きく跳ね返ったボールを見て、一気に三塁まで到達した。起死回生の同点三塁打。致命的な3連敗の危機にあった虎が、息を吹き返した。

 鳥谷

 毎回、チャンスで打ててなかった。球種どうこうよりも(先制点を)とられた後ですし、何とか接戦で勝機をしっかりとりたかった。

 やられっぱなしじゃいられない。試合前までリーグトップの得点圏打率3割6分9厘を誇った。しかし加賀の前に、初回1死二塁、3回2死一塁、5回2死一、三塁と先制チャンスですべて凡退。「前半にしっかり打っていれば、こういう展開じゃない。しっかり久保さんが辛抱強く投げてくれていた」。ラストチャンスで好投久保の黒星を消す今季94打点目を記録した。

 これで元ヤクルト池山氏が持つ遊撃手の最多打点記録(97打点)まで残り「3」とした。普段は個人記録に興味を示さないが「打点は勝敗に直結するんで」と珍しく意識する目標だ。チームの勝利の先に、史上最高の遊撃クラッチヒッター襲名と自身初の100打点をとらえる。帰りの通路で「(状態が)よければもっと打てている」と言ったが、勝負強さを発揮した。

 3番のおぜん立てから、4番新井がしっかり仕事を果たした。カウント1-1から高めスライダーを強振。飛距離十分の犠飛で三塁走者鳥谷を生還させた。「コントロールが良かったので積極的に振っていこうと思っていた。ちょっとだけスライダーが甘くはいってきた」。序盤の逸機を消し去る今季101打点目はチームを救う勝ち越し点。自己記録の102打点(07年)に王手をかけた。2人の活躍に、久保とバッテリーを組んだ城島は「あれが3、4番の仕事ですよ。6、7番にはできませんよ」と感謝した。

 逆転白星を挙げて18日からは巨人→中日の6連戦を迎える。鳥谷が「負けてより勝っていったほうがいいです」と言えば、新井も「(3連敗とは)全然違う。よかった。(今後は)1戦1戦だから。大事な試合が続く」。5年ぶりのリーグVをかけた最大のヤマ場に向かう。【益田一弘】

 [2010年9月17日10時50分

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