18日に海外フリーエージェント権(国内、海外球団とも交渉できるFA権)を取得するソフトバンク小久保裕紀内野手(38)が17日、「興味ない」と行使しないことを表明した。胸の内を占めるのは、目の前に迫った本拠地・福岡ヤフードームでの西武3連戦のことだけ。目の前胴上げの屈辱を回避する思いだけだ。「阻止はできる」と3連勝を誓った。

 06年オフにFA権を行使して巨人からソフトバンクに“帰ってきた”小久保が、18日に節目の1日を迎える。首痛などで途中離脱した今季の1軍登録日数が145日に積み上がる。FA権再取得資格の4シーズンを満たす区切りを直前に、権利行使の意思がないことを明言した。

 小久保

 FA取得?

 あっ、そう。興味ないわ。

 決して結論をシーズン後に持ち越したのではない。

 小久保

 シーズン後というよりも、取れることすら、知らんかったくらい。

 ホークスへの愛着は誰よりも強い。すでに来季の現役続行も決めている。オフの契約更改交渉でこじれることがない限り、権利を行使しないという意味だ。

 背番号9の眼中にあるのは、可能性がある限り優勝をあきらめず、西武を倒すことだけ。この日、東京から移動して福岡ヤフードームでの全体練習に参加した。フリー打撃に汗を流し、L倒への思いがあふれた。

 小久保

 (西武胴上げの)阻止はできるからな。自分たちで3つ勝つことはできる。(残り6試合を)6勝0敗で行って、プレッシャーをかけたい。明日は杉内。最多勝かかっとるしな。

 ソフトバンクは優勝マジック4が点灯する西武にカード負け越した時点でV逸が決まる。ロッテも西武のマジック対象チームのため「ホークスV逸=西武胴上げ」ではないが、本拠で西武が歓喜する姿を見るわけにはいかない。ましてや、福岡はホークスが89年に本拠移転後、ビジターチームのレギュラーシーズン胴上げがない“聖地”だ。

 立ちはだかる敵は大きいが、屈するわけにはいかない。18日の西武先発涌井と19日対決予定の帆足には、ともに今季0勝3敗。小久保は「資料持って来たから、寝る前に見るよ」と、データが詰め込まれたカバンを持ち帰った。

 「こういうこと(データ分析)ができるのも、今年はあと6試合か。CSもある?

 いや、まずはレギュラーシーズンしか考えていない」。優勝の2文字のため、自らを、ナインを奮い立たせてきた。節目の18日からの3試合が、10年シーズンの集大成だ。

 [2010年9月18日10時48分

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