<阪神4-6巨人>◇19日◇甲子園

 今日こそ勝つ。だからマートンは今日も打つ。2回までの6失点が響き、マジック点灯にまた近づけなかった阪神だが、1番マット・マートン外野手(28)は足踏み知らずだ。3回の16号ソロなど3安打で、シーズン22度目の猛打賞は今岡、赤星を抜く球団新記録。94年イチロー超えも視野に入る安打数を197本とし、20日にも史上4人目のシーズン200安打男になる。G倒、V奪回に、赤毛のヒットマンが乱れ打つ。

 もう、驚かない。マートンは「打って当たり前の選手」に変身している。球団新記録となる今季22度目の猛打賞を達成したが、宿敵相手に聖地で負けた。赤毛の助っ人は痛恨の敗戦という事実だけに唇をかみしめた。

 マートン

 いつも言うけど、負けたことが残念だ。勝ち負けが大事だから。

 勝負の6連戦の2戦目。18日は一致団結の1-0完封勝利で首位中日と1・5ゲーム差。次も勝てば、間違いなく波に乗れる。どれだけ大事な1戦かは肌で感じていた。1回に先発メッセンジャーがいきなり5失点。左翼手マートンは責任を感じていた。

 マートン

 ブレる球だった。でも、取るべき球だったと思う。

 2死一、二塁、5番阿部が高々と打ち上げた。打球は右から左に吹く浜風をまともに受け、中堅左から左中間へ流れた。最後はマートンが必死で左腕を伸ばしたが、ボールはグラブ近くを通過。先制の2点二塁打となった。山脇守備走塁コーチは「(打球が)伸びていったからな」。難しい打球でも、赤毛の助っ人は自分を責めた。悔しい思いをバットに込め、ここから反撃開始だ。

 5点を追う1回裏、先頭でまずは中前打。これが得点につながらないと、今度は1人で決めた。6点差になった3回だ。藤井の初球、内寄りの139キロ直球をミート。浜風の助けも受け、打球は中堅左フェンスを越えた。8月28日ヤクルト戦以来、18試合ぶりの16号ソロ。さあ、これからだ-。虎を勇気づけ、巨人にプレッシャーをかける“意思表示”だった。

 4回にも右前にポトリと落ちる安打で好機を広げた。逆転を呼び込もうと奮闘した結果は3安打1得点。これで両リーグトップのシーズン197安打。01年日本ハム・小笠原(195安打)を抜き、歴代4位に躍り出た。リーグトップの得点は98。史上3人目の200安打&100得点を20日にも達成する勢いだ。日本記録の94年オリックス・イチロー(210安打)まで残り14試合で13安打。「イチロー超え」も現実味が高まってきた。

 マートン

 最初の打席どうこうというより、1打席1打席大切に自分のバッティングをするだけ。

 この日は確かに負けた。痛い。ただ、一夜明ければまた巨人との戦いが待っている。恐怖の1番打者を印象づけたことは、必ず意味を持つはずだ。逆転優勝まで続く、負けられない戦い。勝って笑いたい。マートンは厳しい表情のままロッカールームに消えた。

 [2010年9月20日11時50分

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