<中日1-0阪神>◇22日◇ナゴヤドーム

 えっ、ウソ、そんな…。阪神がいよいよ追い詰められた。0-0のまま迎えた9回裏、1死満塁からナゴヤドームの魔物に見入られるように悲劇へ導かれた。守護神・藤川が中日の代打堂上剛を一ゴロに打ち取ったが、一塁手クレイグ・ブラゼル内野手(30)が本塁へ悪送球…。痛恨のサヨナラエラーで虎は3位に転げ落ちた。ナゴヤD30イニング無得点の屈辱で迎える23日の第3戦。負けると、中日に優勝マジック点灯の窮地から真弓阪神の底力を見せてくれ-。鬼門打破!

 信じるものを救ってくれ!

 最後の打球の行方は、あまりにも運命的だった。ゼロ行進の象徴とも言えるブラゼルの方向に弾んだ。送球を焦って、握り損ね、そして捕手城島の頭上を大きく越えた。9回裏1死満塁。絶体絶命のピンチで、痛恨のサヨナラエラー。「あまり速いスピードで行くと、球を落としてしまうと思った。少しスピードを落としてしまった」。苦い表情で、打球へのアプローチの仕方を振り返った。

 しかし、後の祭りだ。阪神ファンから、悲鳴が上がった。天王山での連敗。中日とのゲーム差は3・5に開き、3位に転落した。いよいよ、後がなくなった。

 この日も「金縛り」は解けなかった。ナゴヤドームでは本塁が遠い。9イニングで5度も得点圏まで走者を進めたが、あと1本が出ない。絶望感が漂ったのは、6回の攻撃だ。無死一、二塁で、ブラゼルが二塁への併殺打。城島も遊ゴロに倒れ、最大のチャンスを逃した。真弓監督も感情を押し殺して話すしかなかった。「出ないね。1本出れば、と思うが、詰まっているな」。フン詰まりの状態から脱することができない。特にブラゼルはこの6試合で19打数1安打1打点。ナゴヤドームでは、30イニング連続無得点という悲惨な状況に陥った。

 今季最大の危機から、奇跡の逆転優勝への道はないのか。23日に中4日の登板間隔で左腕能見を先発で起用する。とは言え、やはり強力打線が眠りから覚めなければ、勝てない。指揮官は就任以来、ナインを責めることはしない。追い詰められても、その姿勢に変わりはなかった。今も選手の奮起を信じている。もちろん、選手も優勝への意欲を失っていない。選手会長の鳥谷は言った。「自分がチャンスで1本打てば、勝っていた試合。最後に決まるまで、全力でやっていく」。

 きょう23日は中日との最終戦だ。何が何でも勝つしかない-、そう話しかけられると、真弓監督は答えた。「そうやな。明日、勝たないと…」。同一カードを3連敗すれば、中日に優勝へのマジックが点灯する。しかし裏を返せば、現時点でまだ阪神に自力優勝の可能性が残っているということだ。残り11試合、すべて勝てばいい。真弓阪神よ、奇跡を起こしてくれ。

 [2010年9月23日11時39分

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