ソフトバンクの「右の柱」のデニス・ホールトン投手(31)がクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦先発の最有力候補に浮上した。3日、福岡ヤフードームで行われた全体練習で54球の力強いブルペン投球を披露し、右足内転筋違和感の懸念を一掃した。順調なら、9日フェニックスリーグ西武戦(宮崎・南郷)に先発することも内定。ここをクリアすれば第1戦杉内、第2戦和田に続く第3戦を任されることになりそうだ。

 頼れる助っ人右腕、ホールトンが帰ってきた。前日から全体練習に合流していたがこの日、ブルペンで本格的な投球を再開。9月20日の西武戦(福岡ヤフードーム)で2回KOされて以来、初めて1軍首脳の前で力強いピッチングを披露した。ストレートを中心に、カーブやスライダーなど、すべての変化球を交えて54球。投内連係も無難にこなす姿に高山投手コーチからは安堵(あんど)の声が漏れた。

 「心配なのは故障の部分だけ。能力は普通ならば高いレベルにあるんだから。だいぶ足の違和感は取れてきている。(フェニックスリーグで)投げられる状態」。ホールトンは9月1日、右足内転筋の違和感により出場登録を抹消された。20日の西武戦にかろうじて間に合わせたが、2回3失点というふがいない内容で、再び2軍での再調整を強いられていた。患部の不安を一掃する投球を見せ、次は実戦段階にステージを上げる。順調なら9日のフェニックスリーグ西武戦(宮崎・南郷)での先発が有力となった。

 CSでは第1戦杉内、第2戦和田。第6戦にもつれ込んだ場合、杉内を中4日で投入するプランが浮上しているが、第3戦以降は白紙の状態。ホールトンのCS3戦目の起用の可能性を問われた同投手コーチは「いいピッチャーから使う。それを(今後)見極める」と説明。昨季11勝、今季8勝と実績があり、かつ右腕が手薄なチーム事情があるだけに、ホールトンの完全復帰にメドが立ったことはチームにとって大きな朗報だ。実戦で万全な状態にあることが確認されれば、3戦目を任せることが正式に決まる。

 今後は中2日を空けて6日に再度ブルペン入り。ホールトンは「もう1回ブルペン入りして宮崎に行く。(CSでは)いつ投げるか分からないが、コンディションはかなりいい。調子は上がっている」と意気込んだ。ペナントレースで故障に苦しんだ分も、CSで、うっぷんを晴らしてみせる。

 [2010年10月4日11時37分

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