ソフトバンクの主将・小久保裕紀内野手(38)が戦闘態勢を整えた。6日、本拠福岡ヤフードームでのCS調整で最後の特打を敢行。10、11日のフェニックス・リーグ(宮崎)参戦へ、万全の準備を行った。チームにはハワイを第1候補として、12月中旬に1週間のV旅行が組まれる吉報も届いた。Vイベント内定の後押しも受け、CS制覇へと突き進む。

 CS調整最後の打ち込みは、通算399本塁打を誇る小久保らしさが、詰まっていた。スローボールを相手に、左足をグッと上げ、軸足(右足)に重心をためる。そのエネルギーを一瞬で解き放つように、下半身で回転。フィニッシュまでV字の軌道を描くバットスイングから、次々にスタンドへと放物線が描かれた。

 小久保

 特打は気持ちよく打つもんじゃないよ。下半身を使って、ボールを全力でたたく。

 7日からシート打撃など、14日開幕のCSファイナルステージに向け、実戦メニューが組み込まれる。「(CS前に)打ち込むのは最後」。30分続いた特打は、戦闘態勢を整えたサインだった。

 フェニックス・リーグの10日巨人戦(サンマリン)と11日ヤクルト戦(西都)では、主力メンバーが先発出場する。4番に座るのは、もちろん、主将小久保だ。「体は張ってきたが、もともと1度体を張らせて、それを取ろうと思っていた。あとは張りを取るだけ。しかし若い選手はオレが特打するから遠慮してるのかな。明日は松田が特打するけど…」。準備の大切さを説く秋山監督のスタイルを率先垂範。残り1週間での課題は実戦の感覚を取り戻すことだけだ。

 CSの決戦へ向う戦士たちへ、最高の励みも届いた。11月20日を基本線とするVパレードの実施や、同21日の本拠でのファン感謝デーなど続々Vイベントが決まりつつあるが、“最大の目玉”V旅行もハワイを筆頭に調整が進められることが決定。第2候補にオーストラリアが挙がるが、名球会イベントなどを含めてもハワイが最適とみられている。12月13日あたりから1週間ほどのV旅行を「日本一の旅」とするためにも、決してCSで負けるわけにはいかない。吉報が届くと同時に、ナインの気持ちも引き締まったはずだ。

 象徴するように、小久保の表情も日々緊張感が入りつつある。球場入りの際、フェニックス・リーグで開幕戦から西武が主力陣を出場させたことを聞くと「ロッテは?」と逆取材。実戦に入れば、ピリピリしたムードが高まるに違いない。吉報も追い風にCS制覇へ近づいていく。【松井周治】

 [2010年10月7日10時52分

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