<日本シリーズ:中日12-1ロッテ>◇第2戦◇10月31日◇ナゴヤドーム

 中日がロッテに雪辱し、1勝1敗のタイとした。第3戦は2日、千葉マリンで行われる。

 予告通りの大爆発だった。中日の落合博満監督(56)が“オレ流マジック”で打線をよみがえらせた。試合前のスタメン発表、打線は6安打で敗れた前夜とは様変わりしていた。6番に野本圭外野手(26)、8番に大島洋平外野手(24)と若手左打者2人をシリーズ初めて先発起用し、ズバリと当たった。

 初回2点を先制して、なお2死満塁。ここで8番大島はマーフィーの高めの直球をたたいた。打球は左翼線を破る2点二塁打。「とにかくランナーをかえすことだけに集中していました」。史上初のシリーズ初打席での2点適時打で試合の主導権を完全に握った。

 落合監督は試合後、打線変更をこう説明した。「7つしかないから状態が上がるのを待っていられない。確かに野球選手は結果を求められるんだけど、それにつぶされたらグラウンドで表現はできない」。31日のロッテの先発予想は右腕の渡辺俊、左腕のマーフィーで割れていた。だが、マーフィーが左打者の被打率が高いことはスコアラーから報告を受けていた。30日に3三振の藤井をベンチから外し、どちらがきてもいいように2人の左打者を送り込んだ。大胆な選手変更で強引に流れを引き寄せた。

 「このオーダーが続くかどうかは明日の練習を見てからでないとわからない。ただ、ここで2つ負けなかったのは大きい」。短期決戦の極意とも言える大胆な選手起用を見せたオレ流指揮官。その視線は早くも第3戦へと目を向けていた。【鈴木忠平】

 [2010年11月1日9時26分

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