<日本シリーズ:ロッテ10-4中日>◇第5戦◇4日◇千葉マリン

 ロッテが、史上初のリーグ3位チームの日本シリーズ制覇に王手をかけた。1回からマリンガン打線が火を噴き、中日の中田賢から5連打で4点を挙げ逆転した。15安打、大量10点で大勝した。日本シリーズでは05年第1戦のロッテ(対阪神)以来の先発全員安打で、5年前はその勢いで日本一になっている。千葉マリンの“ラストゲーム”を制し、明日6日の敵地ナゴヤドームでの第6戦に勝てば、チームを率いて1年目の西村徳文監督(50)が宙を舞う。

 ついに日本一に王手をかけた。勝利に沸く右翼席に向かって、選手、コーチを並ばせると、ロッテ西村監督は両手で手を振り、深々と頭を下げた。千葉マリンでの最終戦。来季からはネーミングライツを導入するため、同球場名での試合は最後になる。その試合を痛快な勝利で飾ってみせた。「本当はここで日本一を決めたかったんですが、強敵の中日が相手なのでね。でも最後のゲームでマリンのみなさんにいい試合を見せることができて良かった」と笑顔になった。

 信頼を持って送り出した不動のオーダーが、1回にいきなり火を噴いた。「おいしい場面で回してくれた。昨日、打てなかったので、その分もと思った」と逆転打の今江。前夜、あと1歩まで追い詰めながら勝てなかった悔しさが打線に気迫を呼んでいた。1回、井口から金泰均までいきなり5連打で4得点。これは05年の日本シリーズ第2戦でロッテが6連打して以来の記録だった。先発全員安打も、その時の第1戦以来。最後まで上位も下位もなく打ちまくった。

 4回、流れを引き寄せたのは不振でも、4番で使い続けたサブローの2ランだった。「よく我慢して起用している?

 我慢じゃないんです。信頼です」と4番から外さない理由を説明したことがある。だが、それは西村監督だからできたことかもしれない。サブローも「普通に考えたら、外されてもおかしくない。期待になんとか応えたかった」と感謝の一打だったことを明かした。

 鉄の意志を持った監督だ。現役引退後、家族でハワイに旅行したことがあった。しかし、旅先で体調を崩した西村監督は、家族に「今日からたばこをやめる」と宣言し、カートンで持っていたたばことライターをゴミ箱に捨てた。それ以来、一切たばこを吸っていない。パチンコ店など、たばこの煙のひどい場所にも近づかなくなった。「あの時、体調を崩さなかったら、どうだったんでしょうかね。今でも吸ってたのかな」と振り返ったが、こうと決めたらやり通す強さがある。だから、サブローへの信頼も揺るがなかった。「不調だったサブローが3本。金泰均も4本。ここに来て彼らの調子が上がってきたのは大きい」と、うなずいた。

 明日6日、ナゴヤドームに場所を移し、日本一を取りに行く。先発はエース成瀬が予想され、オーダーはDHがなくなるものの、信頼を寄せる不動の打線に違いない。「あと1つというところまで来たので、もう1回、気を引き締めて頑張っていきたい。王手といっても、あと1つ勝たないといけない。これまでと同じように、全員で1つになっていかないといけない」。戦い方に迷いもなければおごりもない。史上初、リーグ3位からの下克上が見えてきた。

 [2010年11月5日8時48分

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