王手をかけたロッテがエースで一気に日本一を決める。中日との日本シリーズ第6戦は、今日6日ナゴヤドームで行われる。第1戦で先発した成瀬善久投手(25)の先発が濃厚。現在ポストシーズン3連勝中で、4勝目となれば史上5人目の快挙となる。5年ぶりの日本一を頼れるエースに託す。

 やはり最後はこの男で締める。成瀬が日本一をかけたマウンドに立つ。この日、千葉から名古屋に移動し、夕方からナゴヤドームで全体練習。軽めのキャッチボールとダッシュで調整した左腕は「今は本当に投げるのが楽しみです。結果を出すのではなく、自分の役割をしっかりできればいい」と笑顔を見せながらも、最後はいつも通り冷静沈着な表情で引き揚げた。

 日本一の栄冠を得ることは、偉大な先輩に肩を並べることでもある。勝てばクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズを含めたポストシーズン4勝目。日本シリーズだけで4勝した稲尾、杉浦らと並ぶ。シリーズMVP獲得となれば、球団の投手では初の快挙だ。清田、今江ら打者陣と争うことになるが「やるからには狙いますけど、チームに貢献できればいいです」と、CSに続いて2度目の獲得に意欲もみせた。

 シーズン中は勝ちと負けが交互に続いた。だが、ポストシーズンに入り負けなし。第1戦では、1回から142キロ前後の直球を連発するなど、いつも以上の球速で押した。「シーズン中は、次対戦する時にどういう狙いでいくか、1年間通してこういう攻め方をしないといけないとかいろいろ考えると思うんですけど、ポストシーズンって負けたら次はない。だからこそ思いっきり投げたいし、悔いなく投げたい気持ちがあるんです」と投球の違いを明かしていた。

 3日の千葉マリンの練習では、渡辺俊と野球規則を読みながら、ナゴヤドームのマウンドの傾斜について話し合った。第1戦で88球しか投げていないが、下半身に思った以上に張りが出たためだ。傾斜角度が高いとされる同球場のマウンドについて、野球規則に目を配って調べるほど、勝つための策を練っていた。

 ソフトバンクとのCSファイナルステージと同様に、成瀬で始まり、成瀬で終わるシナリオは出来上がっている。救援陣も好調だが、完投への意欲を聞かれると「もちろん。いや、1人じゃなくて、みんなで力を合わせてやるだけです」と力を込めた。頼れるエースで、5年ぶりの歓喜を一気に決める。【斎藤庸裕】

 [2010年11月6日9時1分

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