新天地でも不思議ちゃんは不思議ちゃんだった。巨人から交換トレードで日本ハムに移籍したウィルフィン・オビスポ投手(26)が9日、2軍施設のある千葉・鎌ケ谷で入団会見を行った。両耳ピアスにスーツ姿でビシッと決めたが、サングラスを持つ左手は白い包帯でグルグル巻きになっていた。

 実は10月のジャイアンツ球場で打撃投手を務めている最中に左手親指に打球が直撃していた。日本ハムの球団幹部は「折れているだろうという診断もあるが、手術はしなくていい軽いもの」との報告を受けている。ひびが入っている可能性があり、近日中に再検査の予定だ。本人は気にするそぶりも見せず、日本語で「ダイジョウブ」と余裕で話したが、いきなりの負傷会見となった。

 発言でもオビちゃん節がさく裂した。質問で38歳のベテラン稲葉篤紀外野手(38)の名前が出た瞬間、日本語で「スキ!」と満面の笑みを浮かべた。以前から稲葉の大ファンだった。「彼の試合を見て尊敬できる」とまで言う。巨人時代の09年日本シリーズで対戦した際、サインボールをもらって大はしゃぎ。「サイン?

 特別な場所に飾ってある」と言う。

 本塁打を打たれたこともある稲葉とは来季からチームメートで「毎日、なんだかんだとうるさいくらい聞くと思うね」とニヤリ。投手なのに、なぜか野手の稲葉を教育係に逆指名した。「ものすごく寒い」と印象を話した北海道での生活の知恵も授けてもらうつもりだ。昨季は6勝も、今季2勝。「気持ちを切り替えていい波に乗れるようにしたい」と出直しを誓ったが、不思議ぶりは不変だった。【村上秀明】

 [2010年11月10日8時37分

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