阪神新井貴浩内野手(33)が30本塁打のカベ突破に意欲を燃やした。8日、大阪・八尾市で野球教室に参加。小学生の前で大ホームランをかっ飛ばした虎の4番は「やっぱり打ちたいよね。まだ成長できる」とキッパリ言った。

 05年に43本塁打も放った元キングにしては目標が低い…とは誰も言うまい。広島、阪神、日本代表で主軸を歴任しながら豪快なスイングと引き換えに、確実性と勝負強さを求めてきた。今年マークした自己最高の打率3割1分1厘&112打点は何よりの証しだ。

 ただ前日に坂井オーナーが「もっと打ってほしい」と要求したように今年の19本塁打は確かに4番打者としては少々物足りない。本人も分かっている。

 「プロ野球の醍醐味(だいごみ)だし、多く打てるにこしたことはない。今の数にも満足していない。来年は飛ばないボールになるけど、自分のスイングをすればフェンスオーバーできる」

 阪神の右打者で、30本塁打超えは外国人をのぞけば、日本一イヤーの85年岡田彰布(35本)真弓明信(34本)が最後。甲子園のラッキーゾーンが撤廃され、最大8メートル広くなった92年以降は05年今岡誠の29本が最高だ。

 「経験上、狙って打ったらダメ。意識すると打てない。自分のスイングに主眼を置いて、技術は変えることはなく、下半身の回転でしっかり打ちたい」

 飛ばないとされる統一球の導入など逆風はあるが、新井は「未踏」の領域に踏み込むイメージをしっかりと描いている。

 [2010年12月9日12時33分

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